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カールツァイスは、全国のビジネスパーソン1,000名を対象に「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」を実施し、その結果を公表した。
■目先の肩書や他者からの評価ではなく、将来のビジョンがキャリアを左右
新卒時の就職活動において、企業選びの際に重視した点を聞いたところ、48.0%が「家族・親からの評価・期待」、45.4%が「友人や周囲からの評価・印象」、44.4%が「異性から見られた時の企業イメージ」と回答。このように「他者からの目線」を重視した人は65.0%にのぼった。

さらに、20代会社員のうち新卒の企業選びを「家族」「友人」「異性」からの見え方で決めた人の39.7%が、入社3年未満で退職しており、全体と比べて約10%も早期退職する割合が高いことが明らかに。

一方、新卒の企業選びで「将来のキャリアプランに合っている業務内容」を重視した人のうち76.7%が当時の選択に「満足」と回答。全体の満足度と比べると約17%高く、明確なキャリア観を持って自身に適した仕事を選んだ人ほど、入社後の満足度も高い傾向にある。
目先の肩書や他者からの評価ではなく、将来のビジョンから逆算してキャリアを築く「キャリア視力」こそが、充実したキャリアを歩むための鍵であることが示された。

■企業選択と入社後モチベーションのギャップ
勤めている企業に就職(転職)した時の志望動機としては、「働きやすさ」が最多、次いで「待遇・報酬」、「企業知名度・安定性・将来性」と、肩書や外的評価に関わる要素が上位に。
一方、入社して働き始めると、重視する項目には変化が見られた。現職で働く動機としては「働きやすさ」「待遇・報酬」に続き、「達成感のある業務」、「成長・キャリアアップ」が上位だった。
入社時に上位だった「企業知名度・安定性・将来性」は5位に下落し、肩書やブランド性は必ずしも仕事のモチベーションに直結していないことが明らかに。
同結果から、志望動機と入社後のモチベーションは必ずしも一致せず、肩書は仕事の本質ではないことがわかった。

■肩書や企業の知名度が惑わす、入社イメージ
会社員の転職活動において、転職時に企業を選ぶ際に重視した条件を聞いたところ、「企業知名度・安定性・将来性」を重視する人のうち、76.2%が「入社後に思っていたのと違った」と回答。

具体的なギャップの内容としては、1位「ワークライフバランスが想定より悪い」、2位「入社前の説明や面接時の印象と違った」、3位「職場の人間関係・雰囲気がよくない」となった。
肩書や知名度を最優先に考えた結果、入社後の働き方や職場環境を具体的にイメージしないまま転職している実態を示している。

一方、「自身のキャリアビジョンを明確に描けているか」という質問に対して、わずか10.3%の人のみ「具体的に決めている」と回答。多くのビジネスパーソンがキャリアビジョンを明確に描けておらず、「キャリア視力」が不足している現状が浮き彫りに。
同結果から、今後のキャリア形成には、他者に示すための目先の肩書だけを追うのではなく、自身の価値観ややりがいに基づいてキャリアを切り開く高い「キャリア視力」が不可欠であると同社は指摘している。

【調査概要】
調査期間:2025年8月22日~8月25日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20歳~59歳/ビジネスパーソン男女1,000名
<参考>カールツァイス「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」