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大阪・関西万博の開幕から4カ月。日本発祥のスポーツ・競輪(KEIRIN)の魅力を発信するブース『ふとももEXPO〜FUTOMOMOoooooooo~』が、8月8日から29日まで大阪・関西万博ギャラリーWESTにて開催中だ。
その名のとおり、“ふともも”がエンジンとなる人力最速のスポーツ、競輪の魅力を体感できる本イベント。会場には一際目を引く巨大なふとももバルーンが登場し、来場者を出迎えている。今回AMPでは、オープニングセレモニーの様子や展示内容の見どころを取材した。
ミャクミャク&眞杉匠選手らが開会宣言
初日である8月8日には、オープニングセレモニーが開催された。競輪界期待の若手トップ選手・眞杉匠選手(S級S班/栃木支部)や、公益財団法人JKAの木戸寛会長らが出席。万博公式キャラクター「ミャクミャク」も登場し、テープカットが行われた。

木戸会長は開会のあいさつで「日本で生まれた競輪は、KEIRIN(ケイリン)の名でオリンピックの正式種目となっており、国際大会でトリを務めるほどの人気種目です。選手の感覚を体感できるシアター、選手と対戦できるマシン、オリンピックや世界選手権で使われた最新鋭の自転車を展示しております。日本はもちろん海外からのお客様も、日本発の世界のスポーツKEIRINをお楽しみください」とメッセージを送った。
ふとももがエンジン!日本発・人力最速のスポーツ
競輪は、日本の戦後復興を支えるべく誕生した公営競技。現在、男女合わせて約2,400名の選手が在籍し、国内では最も選手数の多いプロスポーツだ。全国の競輪場でほぼ毎日レースが行われ、入場料は無料〜100円程度と観戦のしやすさも大きな魅力である。
最高時速が70kmに達する選手もおり、そのスピード感は圧巻の一言。単なる順位争いにとどまらず、同じ地域の選手との連携による駆け引き(男子レースのみ)も見どころの一つだ。
2000年のシドニー大会からオリンピックの正式種目となったKEIRINは、世界でも注目される競技に。2012年には「ガールズケイリン」もスタートし、さらなる盛り上がりを見せている。
KEIRINの魅力を全身で感じる体験型アトラクション
■Dynamic! ふとももシアター
半円の大型シアターにて、躍動感あふれる競輪の世界に没入できるシアター空間。映像と音、空間を駆使した演出で、スピードや選手の目線、レースの迫力を体感できる。

■Challenge! ふとももライド
KEIRINの魅力に触れ、実際に自転車を漕ぎたくなったという人におすすめなのが、バーチャルでトップ選手と対戦できる『Challenge! ふとももライド』。風を受けながらバンクを漕ぎ周る疾走感を体験できる。

■自転車を漕いで氷を削る『チャリ氷』
競輪場の夏の定番『チャリ氷』がEXPOにも登場。車輪の回転を利用して氷を削り、削られた氷は万博オリジナルの氷のうに入れてプレゼント。自分で作った氷のうでひんやり涼める夏にぴったりの人気企画だ。

社会貢献にも注目。競輪を深掘りするパネル展示
■Professional! ふとももアスリート
競輪選手の魅力を紹介するコーナー。プロフィールや戦歴を知れば、“推しの選手”が見つかるかもしれない。

■Legacy! ふとももヒストリー
日本の競輪が世界のKEIRINへと広がった歴史をたどるヒストリーボード。80年近い競輪の歴史が凝縮されている。

■Support! ふとももソーシャルアクション
JKAでは、競輪の売上の一部を社会貢献に活用。支援対象は、自転車やモーターサイクル関連事業、地域の生活インフラ、ものづくり、教育・福祉・医療の整備事業など多岐にわたる。また、さまざまな事業を支える研究開発分野もサポート。街並みが描かれたパネル展示にて、その一部が紹介されている。スポーツの枠を超えて、競輪が私たちの暮らしを支えていることがわかる興味深い展示だ。

競輪に初めて触れる人はもちろん、競輪ファンもいつもとは違った角度から楽しめる展示が多数用意されている。万博の新たな注目スポットとして、多くの人が競輪の魅力を再発見する場となりそうだ。
文:安海まりこ