前年比約3倍の予約数。イオンが仕掛ける“お盆に選ぶおせち”戦略 | AMP[アンプ]

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これまで「おせちは年末に準備するもの」であったが、「お盆に予約するもの」という新たなニーズが生まれている。

この早期のおせち予約を仕掛けるのは、イオングループだ。イオンでは昨年より8月1日から一部商品の早期予約を開始。お盆の帰省時に「家族みんなでおせちを選びたい」という消費者の声に応えたもので、昨年8月1日〜9月1日の期間中、自社ECサイトの予約は前年比約3倍にも伸長したという。

2026年のお正月を彩るおせちと、イオンの戦略を取材した。

帰省増加と物価上昇による「巣ごもり需要」を見込む

今年は、お盆と年末年始いずれも最大9連休。帰省する人が増加する一方で、物価高の影響により家で過ごす巣ごもり傾向も強い。イオンではこうした背景をふまえ、家族や親戚が集うお盆におせちを選び、年始には一緒におせちを囲む風景が増えると見込んでいる。

また、「年末に買いに行ったら売り切れていた」という声もあり、早期予約により人気商品を把握し、年末の需要に備える狙いもあるようだ。

予約開始に先立ち、イオン株式会社取締役執行役副社長商品・物流担当の土谷美津子氏は「おせちの伝統文化を守りながら、お盆シーズンに選ぶという新しい習慣を応援したい。そして、暮らしの変化に応えて食卓の笑顔を守ることに取り組んでいきたい」と語った。

イオン独自の調査によると、おせちを単体で食べるよりも「寿司とおせち」「焼肉とおせち」といったように、オードブルとして楽しむ家庭が増えている。内容も伝統的な和のおせちに加え、イタリアンや中華を取り入れたバラエティ豊かな味わいが好まれており、世代を問わずに楽しめる“ハイブリッドおせち”が人気だ。

価格や人数、好みに合わせたラインナップで、イオングループが提供するおせちは計約160品目にも及ぶ。注目商品の一部を紹介しよう。

■トップバリュ和洋中特大二段重「饗宴」（4〜5人前）

昨年好評を博した「饗宴」がさらに進化。老若男女問わずみんなで楽しめる和洋中の“ハイブリッドおせち”は、トップバリュ史上最大の75品目（昨年は73品目）に増量しながら価格は据え置きだ。年越しそば（4食）付きで大晦日から楽しめる。

■トップバリュ 和風三段重「慶」（3〜4人前）

本体価格1万円というコスパ重視の商品として昨年トップバリュおせちで販売数No.1を記録した「慶」。和の伝統を感じられる祝い肴の数々が彩り豊かに盛り込まれている。

■トップバリュプロのひと品 3シェフ監修和洋中おせち「集」（4人前）

「一凛」橋本幹造料理長（和）、「アクアパッツァ」日髙良実シェフ（洋）、「慈華」田村亮介シェフ（中）が監修した贅沢な競演おせち。和洋中それぞれに趣向を凝らした味付けのローストビーフの食べ比べもできる。

■おせちの宴杯（4〜5人前）

“進化系おせち”として2026年に初登場の「おせちの宴杯」。宴杯の名のとおり、新春の祝いの席に相応しい大きな杯に、和洋のおせちが豪快に盛り込まれている。

※イオンショップ限定／数量限定

■和洋三段重「吉祥富士」（3〜4人前）

縁起の良い富士山をモチーフにしたおせち。地場食材を使用し、一つひとつ丁寧に仕上げた逸品。

※イオンショップ限定／数量限定

そのほか、橋本幹造料理長監修の本格的で豪華な与段重や、漫画『名探偵コナン』とのコラボおせち、食卓を賑やかに彩るオードブル、イオングループ各社が提供するご当地おせちなど、多彩なラインナップで予約を待ち構える。

「解凍に手間がかかる」「解凍にばらつきがあるので、冷蔵でも販売してほしい」といった声に応え、食品添加物不使用の「瑞」を除き、トップバリュ商品はチルド配送を拡大している。

また、物価高のなか価格を据え置く工夫として、人気の「慶」は外箱を小さくして物流コストを低減。その分あしらい（飾り）を一部廃止したり食材をグレードアップさせたりするなど、品質は向上しているという。イオンでは毎年変化する消費者ニーズを吸い上げ、商品開発に取り組んでいる。

【予約期間】
9月1日〜12月26日20時（※1）
8月1日より「イオンショップ」で一部商品の先行予約受付を開始

【対象店舗】
「イオン」「イオンスタイル」約380店舗（※2）

【対象WEBサイト】
イオンショップ（※3）
おうちでイオンイオンネットスーパー

【商品配送・受け取り期間】
店頭：2025年12月31日～2026年1月1日
宅配：商品によって配送日が異なる。ネットスーパーで予約した商品は、配送・店舗受け取りともに12月31日の時間指定内。

（※1）予約期間は商品・店舗・サイトにより異なる。詳細はカタログもしくはWEBサイトを参照。
（※2）関東・北陸信越・東海・近畿・中四国エリアの店舗に限る。
（※3）全国宅配可能（沖縄全域・全国離島と北海道・四国・九州の一部を除く）。

取材・文：安海まりこ