ミツモアは、2024年7月から2025年6月までの公務員からの依頼データをもとに、自治体DX推進に関する最新動向を調査し、結果を公表した。
同調査では、自治体が業務効率化や働き方改革を目的に導入を検討しているビジネスサービスのランキングも発表した。1位はワークフローシステムであり、紙の書類から電子化を望む声が70%以上を占めた。

導入の目的は、時間短縮や業務の可視化など、業務効率化が最大の理由だという。また、「他システムとの連携」ニーズも高まっており、バラバラに導入されたツールの統合が求められているとのことだ。

4位にはクラウドPBXが入り、自治体ならではの特徴が明らかになった。通話の録音(60%)や文字起こし(36.67%)機能のニーズが、他業種と比べても突出している。住民対応と職員保護の両立を目的としていると考えられるという。

地域別の依頼数では、兵庫県が前年比3.3倍と急伸し、昨年の11位から全国2位となった。

全国平均の公務員依頼数増加率は118.33%であったが、兵庫県はその3倍近い伸びとなっている。

兵庫県企画部デジタル戦略課長の能本達生氏、デジタル改革課長の上野健全氏は、今回の結果について「市町との連携強化に向けた『市町DX支援パッケージ』などの取組効果が表れた結果」としている。今後も市町との連携を深化させていく方針だ。
県では「DX推進リエゾン」を設置し、市町からの相談を受け付けているほか、「兵庫県電子自治体推進協議会」では、共同調達したビジネスチャットツールを活用し、情報共有を円滑化しているという。
また、業務担当職員が自ら業務アプリを作成できるノーコードツールを全庁で展開している。生成AIについても、若手職員によるプロジェクトチームが「兵庫県生成AI利用ガイドライン」を策定し、研修や「ヒョウゴ生成AIラボ」の運営を通じて業務利用を推進している。生成AIを組み込んだチャットボットの実証実験にも取り組んでいるという。
今後は、オンライン手続きの利用件数を年間4,000件以上とし、令和9年度には利用率70%まで高めることを目標としている。また、ノーコードツールや生成AIの活用によって、業務改革実施環境の満足度を令和9年度に80%とすることも目指しているとのことだ。
【調査概要】
調査対象期間:2024年7月1日~2025年6月30日
調査対象:「ミツモア」で行われた業種「公務員」からの依頼
調査件数:909件
調査協力:兵庫県企画部デジタル戦略課(インタビューのみ)
<参考>
株式会社ミツモア『自治体DX推進に関する最新動向』