Amazonは、2025年2月に日本全国の2000人を対象に「デバイスの通知に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表した。この調査により、デバイスから通知を受けることがストレスに影響を与えていることが明らかになった。

デバイスの通知に関するアンケート調査

調査結果によると、1日の平均通知数は約40件であり、20代以下に限定すると平均通知数は50.7件と全体の平均を上回る結果となった。また、1日に受ける通知の中で役に立つ通知について10%以下と回答した人は全体の約6割(58.1%)に達し、多くのユーザーが通知の大半を不要と感じているという。

1日の平均通知数

さらに、自由時間に通知を受けるとストレスレベルが上がると回答した人は、全体で約2割であったが、年代別に見ると20代以下では41.2%と、その割合が約4割にのぼることが判明した。30代では29.5%、40代では25.4%であった。リラックス活動中にデバイスの通知によって気が散ったり中断されたりすることがどのくらいあるかという設問に対し、「頻繁」または「ある程度頻繁」と回答した人の割合は、20代以下で47.7%、30代で40.7%、40代で30.5%であった。特に若年層においては、自由時間中の通知によってストレスを感じている傾向が顕著に見られるという。

自由時間に通知を受けるとストレスレベルが高くなると感じるか

リラックスをするために最も効果的だと思うアクティビティを尋ねたところ、1位は「テレビ番組、映画、動画を見る」、2位は「音楽を聴く」、3位は「本やマンガを読む」という結果になった。そのうち、「本やマンガを読む」を選んだ人の約4人に1人(頻繁またはある程度頻繁と回答)が、アクティビティの最中に通知によって頻繁に気が散ってしまうことが「頻繁」または「ある程度頻繁」にあると回答しており、テレビや音楽よりも通知の影響を受けやすい傾向が見られたとのことだ。

通知によって頻繁に気が散ったり、中断されている割合

東北大学 応用認知神経科学センター助教で脳科学者の榊浩平氏は、「頻繁な通知が集中力を削ぎ、ストレスを引き起こす可能性がある」と指摘している。通知による中断やストレスが脳の負荷となり、集中力や判断力を妨げる可能性があり、こうした慢性的なストレスは、記憶に関わる脳の働きにも影響を与え、長期的に見ると最悪の場合には認知症のリスクを高める可能性も指摘されると述べた。特に「読書」が最も通知の影響を受けやすい点に注目し、読書は能動的で深い集中を必要とするため、通知による中断は思考の流れを断ち切り、本の世界へ没入することを難しくし、他の活動よりも強いストレスを感じやすいのかもしれないとの見解を示している。

<参考>
Amazon『デバイスの通知に関するアンケート調査