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サクラサクマーケティングは10歳〜50歳の男女300人を対象に、日常生活でのAIの利用に関するアンケート調査を行い、その結果を公表した。
■回答者のAI利用状況
●直近のAIの利用時期と利用頻度
回答者が直近でAIを利用した時期を見ると、過半数にあたる54%が「1週間以内」と回答する結果に。また、「1カ月以内」に利用した人も26%おり、これらを合わせると全体の80%が1か月以内にAIを利用していることになる。

AIの利用頻度については、「毎日」利用している人が19%、「週に数回」利用している人が42%となり、これらを合わせると回答者の約6割が日常的にAIを利用している実態が明らかになった。
一方で、「月に数回」利用する人は23%、「ほとんど使わない」という人も16%存在。
これらの結果から、回答者の多くがAIを比較的高い頻度で利用しており、日常生活や業務のなかでAIが浸透しつつある様子がうかがえる。

●よく利用されているAIツール
続いて、回答者がよく利用しているAIツールを複数選択形式で尋ねたところ、最も利用率が高かったのは「チャットAI(例:ChatGPT、Gemini)」で、回答者の52%が利用しているという結果に。
次いで利用されているのは、「音声アシスタント(例:Siri、Alexa)」が17%、「画像生成(例:Midjourney)」が15%、「翻訳・文章校正(例:DeepL)」が14%となっている。
この結果から、会話しながらさまざまなタスクに対応できるチャットAIが広く普及している現状が明らかに。また、音声アシスタントや翻訳・文章校正、画像生成といった特定の機能に特化したAIツールも、一定のニーズがあることがうかがえる。

■AIの利用目的と具体的な活用シーン
●AI利用のおもな目的
AIを使っているおもな目的(複数選択可)を尋ねたところ、最も多かった目的は「情報検索・要約」で、回答数の30%を占めた。
次に多かった目的は、「文章作成・メール支援」と「学習・調べ物」で、どちらも回答数の20%となっており、日常的なコミュニケーションや自己学習の場面でもAIが役立てられていることがわかる。
その他のおもな目的としては、「クリエイティブ(画像・動画制作)」が13%、「娯楽(チャット、ゲーム)」が9%、「生活支援(スケジュール管理など)」が6%と続いた。
「その他」としては、「コード生成」や「プログラミング」、「暇つぶし」などの目的が挙げられ、これらの回答から、特定の専門的な用途や娯楽としてもAIが活用されていると同社は考察している。

●AI利用で最も役立っていると感じる場面
AI利用で最も役立っていると感じる場面についての自由記述からは、多岐にわたる具体的な活用シーンが明らかになった。回答を分類すると、以下の図のような場面でAIの利便性を実感している人が多くなる傾向に。

また、その他の回答として、以下のような回答も寄せられた。
【以下、自由記述から抜粋】
・自分ができないことをサポートしてくれる
・作業時間が効率化される
・わからない問題を解説してもらったり、理論を教えてもらったりする
これらの回答からは、回答者がAIを単なる検索ツールとしてだけでなく、文章作成、プログラミング、クリエイティブ制作、さらには精神面でのサポートまで、非常に多様な場面で活用していることが読み取れる。
特に、時間のかかる作業の短縮や、自分だけでは難しい作業のサポートといった点にメリットを感じている人が多い結果となった。
■効果・満足度
●AI利用で感じている利便性
AIのどのような点が便利だと感じているか(複数選択可)を尋ねた質問では、「情報検索や要約が短時間でできる」が最も多く、回答数の30%を占める結果に。
次に多かったのは「翻訳や文章校正が手軽に行なえる」で19%、続いて「メール・レポートなどの文章作成を支援してくれる」が18%となった。
これらの結果から、AIが情報収集の効率化ツールとしてだけではなく、文書作成といった日常的・業務的なタスクの効率化にも貢献している様子がうかがえる。
その他の回答としては、「画像や動画などクリエイティブ制作が簡単にできる」が13%、「定型的・単純作業(データ入力、フォーマット変換など)を自動化できる」が11%、「データ分析や可視化を素早く行なえる」が8%に。
上記の回答から、AIが単なる情報検索でなくクリエイティブな作業や専門的な作業、さらには定型的な作業の効率化にも役立っていると同社は推測している。

●AI利用で感じているデメリットや課題
AI利用で感じているデメリットや課題(複数選択可)を尋ねたところ、最も多かったのは「回答の正確性への不安」で、回答数の42%にのぼった。
現状、AIが出力する情報の信頼性について多くのユーザーが懸念を抱いており、自由記述でも「ちゃんと動作してくれない」といった声が見られている。
次に多かった回答は「プライバシー・データ漏洩」に関する不安で、33%という結果に。個人情報や機密情報の取り扱いについて、セキュリティ上の懸念を感じているユーザーが多いことが明らかになった。
その他の課題としては、「使い方の難しさ」が16%、「費用負担」が9%で、「特になし」という回答も一定数存在。
上記の結果から、AIが普及している一方で情報の正確性やセキュリティ面、使いやすさなどの面に課題を感じているユーザーが多いことが明らかになっている。

■今後のAI利用意向
●今後の有料AIサービス利用意向
「今後、有料のAIサービスを利用したいか」を尋ねたところ、回答者の意向は分かれる結果に。
最も多かった回答は、「できれば無料で利用したい」で、回答数の34%を占めた。次いで「内容や金額によっては利用を検討する」26%、「積極的に利用したい」23%と続く。
一方で、「有料サービスは利用したくない」という回答も15%あり、有料化に対して否定的なユーザーも少なくないことがわかる。また、「わからない」と回答したユーザーも4%となった。
これらの結果から、多くのユーザーがAIの利便性を感じている一方で、有料サービスへの移行には慎重な姿勢が見られ、価格やサービス内容が今後の有料AIサービスの普及において重要な要素となると同社は推測している。

●今後期待するAI
今後、どのようなAIが出ると良いかについて自由記述で尋ねた結果からは、多岐にわたるさまざまな期待が寄せられていることが明らかになった。回答を分類すると、以下の図のような方向性のAIが求められる傾向に。

また、その他の回答として、以下のような回答も寄せられた。
【以下、自由記述から抜粋】
・ドラえもんのようなAI
・権利向上に役立つ技術発展を助けるもの
・脳波を感知して動くAI
これらの回答からは、多くのユーザーがより高いレベルの正確性や信頼性、人間のような自然な対話能力、そして個々のライフスタイルに合ったパーソナルなサポートをAIに期待している様子がうかがえる。
また、画像・動画・芸術作品の生成といったクリエイティブ分野でのさらなる進化やコスト、使いやすさといった実用面での改善も求められていると同社は推測している。
【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年5月20日~5月25日
調査母集団:300人
性別:男性169人、女性131人
年齢:10代28名、20代83名、30代85名、40代102名、50代2名
<参考>
サクラサクマーケティング『日常生活でのAIの利用に関するアンケート』