次世代農業ベンチャー・BGは、「Next Green Revolution(ネクストグリーンレボリューション)」を始動すると発表した。

「Next Green Revolution」は、深刻な環境・経済的課題に直面する日本の農業、そして持続可能性が危ぶまれる食の未来を守るため、人にも地球にもよりよい次世代の農業へシフトする、“土” を起点とした新しい食と農の運動。
同社は、食べ手とつくり手をつなぐ「食べる革命|Next Green Vegetables(ネクストグリーンベジタブル)」と「つくる革命|Next Green Method(ネクストグリーンメソッド)」という2つの事業を軸に、これからの環境変化に対応した、人と地球がともに持続できる未来のフードシステムの構築を2030年までに目指すとのことだ。
1.“おいしい理由”が見える野菜ブランド「Next Green Vegetables」
“おいしい理由”が可視化された野菜ブランド「Next Green Vegetables」では、土壌の価値を可視化する仕組み「Agri LCA+」により評価・選定。以下の3つの観点から評価を行い、“おいしい理由”として一般野菜との違いを定量的に可視化するという。
【評価観点】
1.土の生態系|土をつくる多様な生態系の働きを高める取り組みの評価
2.野菜と微生物の住環境|作物や微生物にとって健全で住みよい土壌環境づくりへの取り組みの評価
3.地球環境への影響|気候変動、生態系保全、水資源など、地球規模での環境影響を多面的に評価

同社は、「Agri LCA+」により評価・選定された全国のおいしい理由が見える野菜を、食べ手にもつくり手にも適正な価格で、小売店、社食、給食など、さまざまな日常へと届けるとしている。
なお「Next Green Vegetables」は、大手小売店や百貨店でのポップアップ販売を経て、2025年秋に正式にローンチ予定。都内を中心に全国の小売店での展開を拡大していくとのことだ。

2.誰もが100年続く農業経営へのシフトを叶える、ワンストップソリューション「Next Green Method」
「Next Green Method」は、おいしく育つ土をつくる「Soil Solution」、その土壌の価値を可視化する「Agri LCA+」、さらに、その好影響を価値に変換し、農家に経済的リターンとして還元することで土づくりを資金的に支える「Next Green Credit」の3つのソリューションをワンストップで提供。

●誰もがどこでも“おいしく育つ土”をつくる「Soil Solution」
「Soil Solution」は、自然界の多様な有機物とミネラルを発酵させた独自のオールインワン有機発酵資材「Soil Next(ソイルネクスト)」を軸に、畑の土を自然界本来の多様な土壌生態系へと近づけていく農法。
「Soil Next」を年に一度畑に散布することで、自然界の多様な生態系を短期間で土壌に再現し、収量をしっかり維持しながら、野菜をよりおいしく健康に育てることが可能になり、また、土壌そのものも地球環境への負荷が小さい状態へと変えていくという。
2024年より、北海道での製造を開始しており、道内の有力農家で活用が進んでいます。

●“おいしい”が環境価値になる新しいカタチのクレジット「Next Green Credit」
「Next Green Credit」は、脱炭素の枠を超え、“おいしく育つ土づくり”がもたらす多面的な好影響を価値化する、環境クレジット。従来評価がされていなかった水質や生物多様性などの要素も含めて、土づくりが生み出す本質的な価値を定量的に表現するという。
温室効果ガス(GHG)の排出削減・吸収量は、ISO14064-2の規格に基づいて算定され、水質や生物多様性などその他の環境影響については、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)とともに開発した環境影響評価スキームを用いて算定。
その後、ISO14065認証を有する第三者機関による厳格な検証を経て、正式なクレジットとして発行。企業に販売されたクレジットの収益は、農家に還元される仕組みとなっている。

同社は、「土から健康な農業へ」というビジョンのもと、高収益でリスク耐性が高く、地球環境にとってもいい畑へのシフトを、食を支えるつくり手とともに3年で実現することを目指しているという。
なお、同メソッドの社会実装は、日本の農業基地である北海道からスタート。その後は関東甲信越、九州をはじめ、全国へと展開を予定しているという。
また、同メソッドによってつくられる“いい土”で育ち、「Agri LCA+」の基準をクリアした野菜は、「Next Green Vegetables」として適正な価格で販売され、農業経営をより持続的で安定したものへシフトするとのことだ。