SHEは、全国の20〜39歳の有職者400名を対象に、「気象病と働き方」に関する意識調査を実施し、結果を公表した。

「気象病と働き方」に関する意識調査

■69%が「気象病による不調を実感」、92%が「仕事に支障あり」  自覚症状は女性が男性の7倍

気圧や天候の変化によって体調不良を「よくある」「たまにある」と感じている人は全体の69%にのぼり、特に「よくある」と回答した女性は男性の約7倍にあたる133人という結果に。

また、気象病による仕事への影響については、「集中力が続かない」「パフォーマンスが落ちる」といった回答が多数を占め、気象病を自覚している人の92%が「業務に支障がある」と実感していることが明らかになった。

【左】気圧や天候の変化によって体調不良を感じたことがあるか
【右】気象病の症状が出たとき、仕事にどのような影響があるか

■「出社がつらい」人は73%。求められているのは「制度」ではなく「選べる働き方」

気象病の症状があるときに「出社がつらい」と感じている人は全体の73%にのぼった。特に女性では、82.5%が“出社に負担を感じている”のに対し、男性は33.0%と、約2.5倍の差が見られる。

また、気象病への対応として有効だと思う働き方については、「リモートワークの活用(女性147人/男性34人)」「体調不良時の休暇取得のしやすさ」「フレックスタイム制度」など、制度よりも状況に合わせて選べる柔軟な働き方が強く求められている結果に。

さらに女性は、「上司・同僚の理解」や「社内での啓発」など、制度そのものではなく「理解しあえる職場環境」へのニーズが高いことも明らかになった。

【左】気象病の症状があるとき、出社についてどう感じるか
【右】気象病への対応として有効だと思う働き方

この結果に同社は、日々の体調のゆらぎとともに働く現実に対して、制度ではなく「選択肢」が必要とされていることが浮き彫りとなったとしている。

■約半数が「職場で伝えられていない」“見えない不調”の実態が明らかに

気象病による体調不良を職場で「伝えたことがある」と明確に答えた人は、全体の15.2%にとどまり、「あまり伝えない」「一度も伝えたことがない」と回答した人は合わせて49%と、約半数が「不調を共有できていない」現状が浮かび上がった。

なかでも男性は、「一度も伝えたことがない」と回答した人が女性より多く、黙って働く傾向が顕著に。

さらに、「周囲に理解があると思うか」という問いでは、「とても理解がある」「ある程度理解がある」と答えた人は全体の48%にとどまり、半数以上が「理解が十分ではない」「話したことがない」と回答。

【左】気象病による体調不良を、職場で伝えたことがあるか
【右】周囲は、気象病について理解があると思うか

不調を伝えにくいだけでなく、伝えても理解されないのではという不安やあきらめが、気象病を見えないままにしてしまっている構造がうかがえる結果となった。

<参考>
SHE株式会社 調べ『「気象病と働き方」に関する意識調査