男性専門の総合美容医療機関ゴリラクリニックは、「世代別:男性の美容意識調査」を実施し、結果を公表した。

以下、男性患者数の推移(実データ)等とあわせて、男性の「美容」に対する意識や目的の変化を明らかにし、昨今の市場傾向を紹介する。

■30代以上の男性患者数は、5年間で約2.6倍増。「ゴリラクリニック」では、30代以上の男性患者がこの5年間で急増。

2020年のゴリラクリニック年間来院者数は173,576人だったが、2024年には448,402人と約2.6倍(正確には2.58倍)に拡大。特に注目すべきは、コロナ禍からの回復期にあたる2021年に45%もの大幅な伸びを記録した点だという。

その後も毎年15%以上の成長率を維持しており、2025年も3月末時点ですでに11万人を超える来院があることから、同社は、今後もこの右肩上がりの傾向が続くと予想。

これらの数字は、ミドル世代男性における美容医療への関心が一過性のブームではなく、継続的な市場成長として根づいていることを示していると考察している。

ゴリラクリニック男性患者数の推移

■40代以上の男性は2.7倍

2020年から2024年までの5年間で40代以上の患者数は約2.7倍(47,019人から128,318人)に増加。 特に2022年から2023年にかけての増加が顕著で約23,857人の増加が見られたとのことだ。

ゴリラクリニック男性患者数の推移(40代以上)

■ミドル世代男性の美容ニーズの特徴と悩み

ミドル世代の男性による美容意識の特徴としては、若年層に比べて治療ニーズが多様化する傾向があるという。

同社の調査によると、男性の「外見(身体)に関する悩み」では、全体として「歯並び・口臭・虫歯」(28.1%)が最も多く、次いで「ヒゲの濃さ」(24.0%)、「肌荒れ(顔)」(22.1%)、「シミ・そばかす」(20.5%)と続く。

年代別に見ると、それぞれの悩みに特徴があり、データからわかるように、30代では体毛やヒゲの濃さに関する悩みが顕著であるのに対し、年齢が上がるにつれて「シワ・たるみ」や「シミ・そばかす」といった加齢に伴う変化に対する悩みが上位に。

また「歯並び・口臭・虫歯」はすべての年代で上位にランクインしており、口腔ケアへの関心の高さが伺える。

男性の「外見(身体)に関する悩み」

■「美容」に対する男性の意識変化と目的(データで見る男性美容の興味・印象)

「カッコよく見られたい」「イケメンになりたい」など異性を意識した美容ニーズが若年層の特徴だとすれば、ミドル世代の特徴は「ヒゲ剃りに要する時間がもったいない」「排便時のふき取りを楽にして、衛生的に過ごしたい」など日々の利便性やQOL向上を目的とする美容ニーズを抱いている傾向があるという。

その他、「清潔感を手に入れたい」「加齢に伴い昔と同じケアでは効果が出なくなってきた」「自己投資の一環としての美容」など、一言で「美容意識」といえども、実に様々な目的や肌悩みを抱える男性が通院しているとのことだ。

同社の調査によると、男性全体で「美容に興味がある」と答えた人は45.7%、「興味がない」と答えた人は54.3%という結果に。

年代別に見ると、30代では58.5%が「興味がある」と回答しており、最も高い関心を示している。一方、40代では47.0%、50代では33.1%と、年齢が上がるにつれて美容への関心が低下する傾向。特に50代では約7割(66.9%)が「興味がない」と回答している。

男性美容に興味があるか

しかしながら「男性美容」に対する印象を調査したところ、全体では65.6%が「ポジティブ(好意的)」と回答。年代別では30代で77.2%、40代で66.1%、50代でも55.1%が好意的な印象を持っていることが分かった。

興味の有無と印象には差があり、興味はなくても男性美容自体に対する抵抗感は薄れてきていると同社は考察している。

男性美容への印象

<参考>
ゴリラクリニック『世代別:男性の美容意識調査