コスモ石油は、日揮ホールディングス、レボインターナショナルとともに、東京都が2025年5月2日から実施している「家庭の油 回収キャンペーン」と連携し、SAF(持続可能な航空燃料)の原料化を目的とした家庭系廃食用油の回収拡大に取り組むと発表した。
同社3社は2023年8月、東京都が推進する「廃食用油回収促進に係る事業提案」に採択され、協定を締結している。2024年3月には「東京 油で空飛ぶ 大作戦~Tokyo Fry to Fly Project~」を立ち上げ、都内での回収活動を進めてきた。今回のキャンペーンは、2025年9月に開催される東京世界陸上に向けた東京都の環境施策の一環であり、集まった廃食用油は、3社が出資する合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYにてSAFとして精製される予定である。
キャンペーンの実施期間は2025年5月2日から10月31日まで。都内の区市町村約80カ所の回収拠点と、東京都庁第一本庁舎内の展示スペースが回収場所となる。回収された廃食用油は大阪府堺市にあるSAFFAIRE SKY ENERGYの大規模製造設備でSAFに転換され、一部は羽田空港でも利用される見込みとのことだ。
各社の役割については、東京都が回収所の設置と周知を担い、日揮HDが備品の発注などを支援。レボインターナショナルが油の回収を担当し、コスモ石油が航空会社へのSAF供給を行う構図となっている。

SAFFAIRE SKY ENERGYは、コスモ石油堺製油所構内に設置された年産約3万キロリットルのSAF製造設備を2024年12月に完工し、2025年4月より供給を開始している。製品は国際的な持続可能性認証であるISCC CORSIAおよびISCC EUを取得しており、原料調達から製造・供給までが国内で完結する体制を構築しているという。

今後も3社は、東京都との連携のもと、SAFの普及と国産製造体制の確立を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進するとしている。