日本蓄電池は、持続可能で安心できるエネルギー社会の実現に向け、エネルギーと電力における「調整力」を支える系統用蓄電池の普及を中心とした事業を本格始動すると発表した。
第1号となる系統蓄電施設は、愛知県春日井市にて5月より運転を開始する予定であり、卸電力市場、需給調整市場、容量市場での運用を想定しているとのことだ。

系統用蓄電池は、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに接続され、電力系統の安定化のために運用されるもの。従来の蓄電池が需要地に設置され、電力需要に応じて充放電を行うのに対し、系統用蓄電池はネットワーク側に位置付けられ、より広域な電力バランスの維持に貢献する点が特徴だという。
また再生可能エネルギーは天候などの影響を受けて出力が変動しやすいため、系統用蓄電池はその導入拡大を支える役割も担うという。さらに、停電時には蓄えた電力を活用することで、非常時の電力供給も可能となる。
同社は、系統用蓄電池を活用した蓄電所の普及を通じて、調整力の提供とあわせてCO2削減などの課題解決に貢献するとしている。また、蓄電所を金融商品として販売し、多くの人々が参入しやすい仕組みを構築することで、持続可能な成長を支える取り組みを進めていくとのことだ。