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アルフォース・ワンは、物流・運送業界を対象に「外国人雇用」に関する調査を実施し、結果を公表した。
■物流・運送業界の外国人ドライバーの雇用状況の実態
物流・運送業界の外国人ドライバーの雇用状況を調査したところ、「雇用経験あり(現在も雇用中)」が27.1%、「雇用経験あり(現在は雇用なし)」が15.3%となり、全体の42.4%の事業所が外国人ドライバーの雇用経験があることがわかった。
また、「雇用検討中」が10.2%と一定の割合を占める一方、「雇用する予定なし」が47.5%と約半数に上る結果に。

この結果に同社は、物流・運送業界における外国人ドライバーの雇用は着実に進んでいるものの、依然として慎重な姿勢を取る事業所も多いことが明らかになったとしている。
特に、「雇用経験あり(現在は雇用なし)」が15.3%存在することから、日本語での業務遂行の難しさ、運転免許の取得要件、労働環境の違いなどが雇用継続の障壁となっている可能性があると考察。
一方で、「雇用検討中」が10.2%存在することからも、外国人ドライバーの受け入れを前向きに考える事業所が増えているとしている。
■外国人ドライバーの採用は、職場にとって成功だったと思うか
外国人ドライバーの採用が「成功だった」と回答した事業所は12.7%にとどまり、「どちらとも言えない」が61.0%と最も多い結果に。一方で、「成功ではなかった」と回答した事業所は26.3%を占めた。

この結果から、外国人ドライバーの採用に関しては、成功と感じている事業所はまだ少数派であり、多くの企業が判断を保留している状況であることがわかる。
「どちらとも言えない」が6割を超えている点から、採用後の定着率や業務適応の可否がまだ評価しきれていない、あるいは試行錯誤の段階にある事業所が多いと同社は考察。
また、「成功ではなかった」とする事業所が一定数存在することから、日本語での業務遂行の難しさや、運転免許の取得要件、文化的な適応の課題などが採用後の課題として影響している可能性も。
■【2025年】特定技能制度において自動車運送業の解禁を加味した検討状況
特定技能制度の自動車運送業解禁を加味した検討状況は、「すでに採用した」事業所は5.9%、「採用する予定」は15.3%にとどまり、「どちらとも言えない」が31.4%、「採用予定なし」が47.5%と、まだ慎重な姿勢を示す事業所が多いことが明らかに。
「すでに採用した/採用する予定」の事業所の理由として最も多かったのは「人材不足の解消」の72.7%であり、次いで「若手労働力の確保」の18.2%が挙げられた。
一方で、「採用予定なし」と回答した事業所の主な理由として、「日本語能力の不足による言葉の壁」の33.8%が最も多く、次いで「日本の交通ルールへの理解や技術不足による事故や違反」が14.7%で懸念されていることが判明。
この結果は、「外国人労働者に求めるもの」として「日本語能力」や「日本文化に対する理解」を重視する傾向があるという前述の「外国人との共生に関する意識調査」とも一致。

同社は、今後特定技能制度の活用を進めるためには、日本語教育の強化や運転技術研修の充実、文化適応支援などのサポート体制の整備が重要となるとしている。
また、成功事例の共有や外国人ドライバーを受け入れた企業の実績を示すことで、慎重姿勢をとる企業の意識変化を促すことが期待されると同社は考察している。
【調査概要】
調査名:物流・運送業界の外国人雇用の実態調査
対象者:物流・運送業界勤務者
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年2月19日〜2025年3月4日
回答数:118名
<参考>
外国人採用の窓口調べ『物流・運送業界の外国人雇用の実態調査』