スペースデータとKDDIは、2025年4月から2025年10月まで、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)と連携して開発したバーチャル国際宇宙ステーション(以下、バーチャルISS)内でロボットを動作させる実証を行うと発表した。

同実証に向けて、ISSで稼働するJAXAの宇宙ロボット(Int-Ball2)を操作するコマンドを用いて、バーチャルISS内のロボットを動作させる技術を開発。
同実証では、バーチャルISS内に宇宙ロボットの動作を再現し、実際のISS内の宇宙ロボットを同様のコマンドで操作した際の動作と比較。実際のISS内の宇宙ロボットから取得した映像や重力などの物理環境データを基に、同技術の精度とバーチャルISSの再現率向上を図るとしている。
これにより、ISSなどの宇宙機やロボットの設計・開発段階において、バーチャルISSでの多角的な検証が可能になるという。
今後は、開発コストの大幅な削減と、ロボット活用による宇宙ステーション運用の効率化の実現を目指すとのことだ。
■同実証について
●ISSで稼働するJAXAの宇宙ロボット(Int-Ball2)をバーチャルISS内に再現し、同技術によりバーチャルISS内のロボットを動作。実際のコマンドでバーチャルISS内のロボットが動作できる環境を整備することで、設計・開発段階におけるバーチャルISS内での検証を高度化する。
●実際のISS内の宇宙ロボットへ同様の操作コマンドを送信した際の動作と、バーチャルISSでのシミュレーション結果を比較。また、宇宙ロボットを通じて得たISSの環境データを活用することで、バーチャルISSの精度を向上させる。
●同実証はJAXAの「きぼう」有償利用制度を活用。
●同実証を通じて高精度化したバーチャルISSは、同プログラムを通じてスタートアップと大企業へ提供し、各企業が開発する宇宙ロボットや建築物などをデジタル空間上で実証できるよう支援。また、将来的にはバーチャルISSを宇宙体験コンテンツへ活用できるようなシステム構築を目指す。

なお、両社は3月3日から3月6日までの間、スペイン・バルセロナで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2025」においてバーチャルISSを展示。来場者にバーチャルISSを体験してもらうことで有用性を確認し、要望の高い機能の追加などを検討していくとのことだ。