SPIN TECHNOLOGYは、「感情認識AI」を活用したメンタルケア技術を開発したと発表した。
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「感情認識AI」は、表情、音声、テキストのデータを統合的に解析し、感情や心理状態をリアルタイムで可視化するもの。専用アプリをスマートフォンやパソコンにインストールすることで利用可能とのことだ。
企業での導入では、社用デバイスを通じて勤務中の社員のストレスや不安の兆候をモニタリングし、個人利用では日常会話やメールを記録して自己診断やリフレクションツールとして活用可能。これにより心理的変化を早期に特定し、的確な支援が可能だとしている。
今後は、1日の心理状態を可視化するリアルタイム感情モニタリング機能のほか、ストレス検知時のアラート機能、週単位でストレス傾向を振り返る「感情レポート」機能などを開発し、企業や教育機関との実証実験を拡大していく予定とのことだ。
■「感情認識AI」の技術
表情認識
ウェブカメラやスマートフォンカメラを通じて、眉間のシワや口角の動きなど、表情筋のわずかな変化を解析しデータ化。心理的な負担や感情の変化を数値として客観的に把握し、的確なサポートが可能になるとしている。
音声解析
会話中のトーンや声量、発話速度、ポーズ(間)を解析し、心理的負担や緊張の兆候を抽出。人間の主観に頼ることなく、具体的な数値でストレスレベルを可視化するため、感情状態を正確に判断可能。
テキスト解析
メールやチャット、アンケートの文章をAIが自然言語処理(NLP)技術で解析。ポジティブ・ネガティブな表現や否定的な傾向を客観的に特定し、人間では見落としやすい長期間の感情変化やストレスの増加を追跡可能。
■導入事例の可能性
企業向け
社員のメンタルケアをサポートし、職場環境の改善に寄与。
・メンタルヘルスモニタリング
ストレススコアをリアルタイムで可視化し、異常時に管理者へアラート通知。
・早期支援アラート
高ストレスの社員に対し、カウンセラーとの面談を案内。
・経営層へのレポート
組織全体の心理傾向を分析し、改善施策の立案を支援。
教育機関向け
学生の心理状態を把握し、不登校やいじめの早期介入を実現。
・心理状態モニタリング
生徒ごとの感情変化を記録し、異常を検知した際に教員やカウンセラーへ通知。
・いじめ防止支援
特定環境でのストレス増加を解析し、いじめの可能性を警告。
・学習効率向上
授業中の心理傾向を可視化し、指導方法の改善を提案。