KDDIと、Jパワーのグループ会社であるジェイウインドは、陸上風力発電に係るバーチャルPPA(非化石証書譲渡契約)を締結したと発表した。

バーチャルPPAは、コーポレートPPA契約の一つの形態であり、電力需要家の敷地外に建てられた専用発電所で発電された再生可能エネルギーの環境価値のみを、電力需要家が調達する手段。

ジェイウインドは、鹿児島県南大隅町で陸上風力発電所「南大隅ウィンドファーム」を設備更新し、「新南大隅ウインドファーム」(設備出力:19,500kW)を新たに建設する。同契約により、発電に伴い生み出される追加性のある環境価値(非化石証書)が、営業運転開始から20年間にわたりKDDIに提供されるという。これにより、KDDIは九州エリアの基地局におけるCO2排出量を実質的に約5割削減できる見込みとのことだ。

バーチャルPPA スキーム図

KDDIは、2024年5月に策定した環境目標の一環として、「消費電力に占める追加性のある再生可能エネルギーの比率50%以上の達成」を掲げており、同契約はその達成に向けた取り組みの一つとなる。

Jパワーは、水力発電をはじめ、風力発電、地熱発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー事業を展開している。今後もバーチャルPPAをはじめとした多様な販売形態を活用し、「J-POWER “BLUE MISSION 2050″」で掲げたカーボンニュートラルの実現に貢献する方針だ。

両社は今後も、他地域へのバーチャルPPAの拡大を含め、脱炭素化の推進を検討していくとしている。

■新南大隅ウインドファーム概要

所在地:鹿児島県南大隅町
出力:19,500kW(定格出力4,300kW×5基)
工程:2024年度着工(予定)、2027年12月営業運転開始(予定)

南大隅ウィンドファーム(更新前設備・撤去済)