大林組は、ニュージーランド(以下、NZ)およびフィジー共和国(以下、フィジー)におけるグリーン水素の製造・輸送・利活用に関する実証実験を実施したと発表した。

これにより、NZで製造したグリーン水素を海上輸送でフィジーに届け、現地にて水素混焼発電機の燃料として使用し、得られた電気を建物の電源に利用することに成功したとのことだ。

NZ・タウポの水素製造プラントから出荷されるグリーン水素

同実証事業は、NZの大林グループ企業Halcyon Power Limited(以下、ハルシオンパワー)、およびフィジーのエネルギー供給事業者Fiji Gas Pte Ltd(以下、フィジーガス)と共同で行った、NZおよびフィジーにおけるグリーン水素の製造・輸送・利活用に関するもの。

環境省が公募した「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうち水素製造・利活用第三国連携事業)」に採択され、日本の温室効果ガス排出削減目標の達成に貢献することを目的とした取り組みとなっている。

大林組は同実証事業の代表事業者として、プロジェクト全体の統括、現地調査、グリーン水素の海上輸送、フィジーガスの水素混焼発電機導入のサポートを行い、水素の海上輸送と利活用の実現性を確認。

ハルシオンパワーは、2021年12月にNZ初のメガワット級水素製造プラントを開所して以来、NZ国内における水素サプライチェーンの構築に取り組んできたが、グリーン水素の国外輸出は今回が初めての試みだという。

フィジーにおける水素混焼発電機試運転の様子

同実証でNZのオークランド港からフィジーのラウトカ港まで1週間かけて海上輸送されたグリーン水素は、フィジーガスのLPG貯蔵施設に据え付けられた水素混焼発電機の燃料に利用。

同施設の電力需要に合わせて適切に水素の流量設定を行ったうえで発電機を稼働し、電力を供給することに成功したとのことだ。

大林組は、国内外の事業者と連携を図り、グリーン水素の社会実装と普及拡大を通じて、社会的課題であるカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。