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パーソル総合研究所は、「スキマバイト/スポットワークに関する定量調査」を実施し、結果を公表した。
■スキマバイトの実態・ポテンシャル【働く個人】
1.全国男女15~69歳の6.5%が3年以内にスキマバイトを行った経験あり。そのうち、82.0%は直近1年以内にスキマバイト経験があると回答。
1年以内のスキマバイト経験率の数値を基に、全国のスキマバイト人口を簡易推計した結果、452万人という結果に。内訳を見ると、東京をはじめとする都市圏で多い傾向。
2.スキマバイトの意向率をみると、1年以内のスキマバイト未経験者の意向率は21.8%。潜在スキマバイト人口を簡易推計したところ、1431万人となった。
3.スキマバイトの意向率を性年代別でみると、男女ともに若年層のスキマバイト意向率が高い。属性別では、社会人層では派遣社員、学生層では「高校生・専門学校」「短大生・大学生」の意向率が高い。また、学生を就職活動状況別に見ると「就職活動前」の学生で高い傾向に。
4.スキマバイトの仕事内容で最も多いのは「軽作業系職種」で16.4%。次いで、「接客・サービス系職種(14.9%)」、「配送・物流・運輸職(9.4%)」と続く。
レギュラーバイトとの比較で見ると、「軽作業系職種」や「配送・物流・運輸職」、「イベント・キャンペーン系職種」などは、スキマバイトの方が高い。一方で、「接客・サービス系職種」や「販売職」、「専門・技術職」などはレギュラーバイトの方が高い。
5.直近のスキマバイトの応募媒体を見ると、学生・社会人ともに、「スキマバイト専用の求人アプリ・サイト」が6割前後を占める。次いで、「バイト全般の求人アプリ・サイト」や「家族や友人・知人の話」が続く。
6.1年以内のスキマバイト経験者を、スキマバイトとして働くメリットや理由の傾向に基づいて類型化したところ、以下の5タイプに分けられた。
7.社会人に対して、スキマバイト経験が本業に与える影響実感を聞くと、半数以上の社会人が「スキマバイト経験が本業の役に立った」と感じており、強く感じている効果は「視野の拡大」や「チャレンジ意欲の高まり」、「学びへの抵抗感の低下」など。
こうした効果実感の傾向は、スキマバイトタイプごとに異なる結果に。
■スキマバイトの課題【働く個人】
8.スキマバイトで働く個人の困りごとは、「従業員の仕事の教え方がわかりにくい」「マニュアルがない」「職場の従業員の態度が冷たい」などが15%前後で上位。一方、35.1%は「あてはまるものはない」と回答。
レギュラーバイトで働く個人の困りごとと比較すると、「職場の従業員の態度が冷たい」が8割増と顕著に多くなっている。
■スキマバイトの実態・課題【企業・マネジメント】
9.店長・管理者におけるスキマバイトのマネジメント実態を見ると、レギュラーバイトのマネジメント経験者のうち、スキマバイト人材を現在マネジメントしている者は21.3%。経験ありが40.7%。
マネジメントしたことのあるスキマバイトの人数は平均10人弱で、スキマバイトをマネジメントした店長・管理者の7割弱がスキマバイト人材をレギュラー化(長期雇用化)したことがある。
10.店長・管理者に、スキマバイトを今後活用したいかを尋ねると、現在、スキマバイト人材をマネジメントしている層は63.0%が肯定的という結果に。また、レギュラーバイトしかマネジメントした経験のない店長・管理者も45.0%が活用したいと回答。
11.店長・管理者側が感じるスキマバイト活用のデメリット(課題)としては、「仕事を教えるのが大変」が最上位。2位以下に「人物像やスキルが事前にわかりにくい」「業務範囲が限定的」「スケジュールやシフト調整が難しい」が続く。
12.スキマバイトとレギュラーバイトのワーク・エンゲイジメント・再就職意向を見ると、学生はレギュラーバイトのほうがワーク・エンゲイジメントが高く、社会人はスキマバイトのほうがワーク・エンゲイジメントが高い傾向が見られた。
スキマバイト人材の再就業意向(もう一度その職場で働きたい)は、学生・社会人ともに5割弱。
13.スキマバイト人材のワーク・エンゲイジメントを高めるには、適切なジョブアサインと明確な指示がプラスに影響。
14.スキマバイト人材にもう一度働きたいと思ってもらうには、仕事を任せ、承認していくマネジメント行動がプラスに影響することがポイントに。
【調査概要】
<参考>
パーソル総合研究所『スキマバイト/スポットワークに関する定量調査』