NECグループの独立シンクタンク国際社会経済研究所(IISE)は、2024年9月26日から10月8日にかけて実施した「マーケティング課題とソートリーダーシップ実態調査」の結果を公開した。

ソートリーダーシップは、新しい考え方を世の中に提示し、共感によりステークホルダーを共創へ誘引することで、新たな顧客や市場を創造するマーケティング手法の1つ。同調査では、企業活動におけるマーケティング課題や、ソートリーダーシップ(Thought Leadership)の認知と期待について明らかにしたという。

調査結果によると、現在の企業活動における課題として「新規顧客獲得」が30%、「長期的なビジネス成長の促進」が27%と多くの企業が共通して抱える主要な課題として挙げられた。

現在抱えている課題
現在抱えている課題 職種別上位抜粋

また、ソートリーダーシップ活動に期待される効果としては「新規顧客の獲得」と「自社の強み強化・創出」がいずれも23%と高い割合を占めており、特にブランディング職やビジネスデベロップメント職、ESG推進職における期待が顕著であるという。

ソートリーダーシップ活動に期待する効果
ソートリーダーシップ活動に期待する効果 職種別詳細(上位意見)

ソートリーダーシップ活動の認知度は現時点で10%と高くはないものの、そのうち具体的な内容まで知っている割合は約6割に達している。

ソートリーダーシップの認知度

さらに、認知者の60%が「以前に比べて注目度が高まっている」と回答した。

ソートリーダーシップの注目度の変化

活動への取り組み意向については全体で55%が支持しており、特にブランディング職では8割、マーケティング職やビジネスデベロップメント職では6割を超える意向が示された。

ソートリーダーシップ活動に対する賛同度・取組意向度
ソートリーダーシップ活動に対する取組意向度 属性別詳細

活動効果の実感には概ね3~4年程度の期間が必要とされる一方で、成果への満足度は77%と高く、不満の声はほとんど見られない状況である。

ソートリーダーシップ活動の成果を実感できるまでの所要期間
ソートリーダーシップ活動の成果に対する満足度

また、ソートリーダーシップを象徴する人物や企業として、孫正義氏(ソフトバンク)、豊田章男氏(トヨタ自動車)、スティーブ・ジョブズ氏(アップル)などの著名経営者が挙げられた。

ソートリーダーとして思い浮かべる人物・企業

<参考>
国際社会経済研究所(IISE)『マーケティング課題とソートリーダーシップの実態調査