帝国データバンクは、2025年の景気見通しに関する調査結果を発表した。
2024年11月に実施された同調査によると、2025年に「回復」局面になると見込む企業は7.7%と、2024年の調査結果から5.1ポイント減少し、5年ぶりに10%を下回った。「踊り場」局面は41.7%で2年連続4割を超えた一方、「悪化」局面を予想する企業は23.9%と3.6ポイント増加した。
企業規模や業界別の景気見通し
規模別に見ると、大企業では「回復」局面の見込みが8.6%で、中小企業の7.5%を上回った。「踊り場」局面では大企業が46.8%、中小企業が40.8%となり、大企業の方が6.0ポイント高かった。一方、「悪化」局面では大企業が17.4%、中小企業が25.1%と、中小企業の方が高い割合を占めた。
業界別では、「回復」局面を予測する割合が最も高いのは金融業の10.1%で、不動産業(9.5%)、サービス業(8.8%)が続いた。一方、「悪化」局面では小売業が31.7%と最も高く、農・林・水産業(25.7%)、建設業(25.2%)が続いた。
懸念材料と景気回復に必要な政策
2025年の景気に対する懸念材料として、「原油・素材価格(の上昇)」が46.2%で依然としてトップを占めた。ただし、前年からは12.8ポイント低下した。「金利」は24.1%で6.3ポイント増加し、「米国経済」は17.1%で前年より11.2ポイント上昇した。
景気回復に必要な政策としては、「人手不足の解消」が40.5%で引き続きトップとなったほか、「個人向け減税」(39.6%)や「中小企業向け支援策の拡充」(35.8%)、「個人消費の拡大策」(33.7%)が重視される結果となった。
2025年の景気見通しは、引き続き「横ばい」傾向が予想される中で、原油価格や金利動向、海外経済の影響がリスク要因として挙げられている。企業活動への影響を抑えるためには、人手不足の解消や個人向け減税、消費拡大策などの対策が求められているとのことだ。
【調査概要】
調査対象:全国の企業2万6,880社
有効回答数:1万939社(回答率40.7%)
調査期間:11月18日~30日
帝国データバンク「2025年の景気見通しに対する企業の見解に関する調査」