水素を使って走るFCEV(燃料電池自動車)×天王寺動物園×シードペーパー、地域とすすめるSDGs|大阪トヨペット株式会社

本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。

今回は大阪トヨペット株式会社の取り組みを紹介する。

大阪トヨペットの取り組み

アプローチ視点 大阪トヨペットは「街を想い、人を想い、信頼される会社」を理念に掲げ、SDGsの取り組みに注力しています。地域社会で親子が環境意識を体感できる場として、脱炭素分野では「水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室」を実施し、資源循環分野では「TOYOTA CIRCULAR ACTIONS」のトライアルを展開しています。
実施内容 2024年夏に「水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室」の参加者にシードペーパーを配布。また、天王寺動物園とのコラボレーションでは、FCEV(燃料電池自動車)を活用し、イルミネーション電飾への電源供給を実施しました。さらに、同園で行われた「どうぶつ総選挙」は全国紙でも取り上げられ、大きな話題を呼びました。

取り組み実施に至った背景

大阪トヨペットの社是は「信頼」です。同社では、自動車販売以外にも地域の方々との接点を作り、「西日本エリアNo.1の自動車販売会社」という枠を超え、SDGsの取り組みを通じて「大阪でSDGsに力を入れている企業」として認知されることを目指しています。

例えば、2022年には全店舗での紙ストローを導入しました。当初、この取り組みには賛否両論ありましたが、現在では「プラスチック削減など、世の中のSDGsへの流れに沿った取り組みをしている」と多くのお客様にも理解され、受け入れていただいています。不便を感じる場面もあるかもしれませんが、「飲食店など他業種ができるなら、自動車業界でも可能ではないか」と考え、業界の先陣を切ってチャレンジしました。また、一度始めた取り組みを継続する姿勢を大切にし、サステナビリティの本質である「長く続けること」を重視しています。その背景には、しっかりとした信頼関係が欠かせないという信念があります。

人を想い、地域を想い、信頼される企業であり続けるためには、業界内で、横並びに動くだけではなく、独自の道を定め、継続的に取り組みを進めることが必要です。大阪トヨペットでは、全店舗でSDGs宣言を掲げ、地域社会との関係構築に力を入れています。その一環として、脱炭素をテーマにした「水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室」や、資源循環をテーマにした「TOYOTA CIRCULAR ACTIONS」のトライアルなど、次世代を担う親子向けの啓発活動に注力しています。

実施している取り組み

最近の地域貢献とSDGsをかけ合わせた取り組みを3つご紹介します。

1つめは、「水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室」です。この取り組みは、水素が二酸化炭素排出を抑えるソリューションとして注目されていることを知っていただくことを目的としています。毎年2~3回、店舗イベントや学校への出張授業として実施しており、子どもたちに環境や水素で走るFCEV(燃料電池自動車)についてわかりやすく伝えています。

プログラムでは、まずクイズ形式で環境や水素エネルギーについて学び、その後、水の化学反応から生成された水素で電気を作り、ミニカーを動かす体験ができます。参加した子どもたちは、ミニカーが動く瞬間には目を輝かせています。この体験を通じて、子どもたちが少しでも環境のことに関心を持つきっかけになったらいいなと思っています。

学校でもSDGsに関する授業は行われていますが、地球で起きている問題と自分たちの暮らしがどのように結びついているのか、そして自分たちに何ができるのかを体系的に学び、それを体感できる機会は多くありません。また、環境教育を通じて、「子どもが学んだことをきっかけに、親も新たな知識を得る」という声を多くいただきます。

水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室

2つめは、天王寺動物園とのコラボレーションです。新型コロナウィルス感染症が広がった際に、来園できなくなった人々のために企画し、動物を題材にした4コマ漫画をSNSに投稿していきました。それ以来、動物をより身近に感じてもらうためのイベントを毎年共同で開催しています。

2024年6月からは、「どうぶつ総選挙」を毎月SNSで実施し、12月には天王寺動物園で決勝戦の投票を行う予定です。この取り組みは、生物多様性の重要性を訴えるSDGs活動の一環であり、動物たちの環境を守ることの大切さを伝えるものです。例えば、海ごみを食べて苦しむウミガメを知ることでごみの問題に関心をもつのと同じように、日常の意識が動物たちの生活を守ることにつながるということを発信しています。この活動は全国紙でも取り上げられ、多くの動物ファンの方がSNSでシェアするなど、注目が集まりました。

天王寺動物園とのコラボレーション

3つめは、「TOYOTA CIRCULAR ACTIONS」における販売店での資源循環のトライアルです。シュレッダー処理されて焼却される紙の一部をアップサイクルし、ハーブなどの植物の種を漉き込んだ和紙風の「シードペーパー」を作成しています。このシードペーパーはイベントの来場者に配布され、取り組みの説明とともに紹介しています。

シードペーパーは水に一晩浸けて土に植えると植物が芽を出す仕組みで、環境への貢献をわかりやすく体感できる取り組みとして好評をいただいています。地域の方々にこの取り組みを知っていただくことで、少しでも環境意識の向上につながればと考えています。

紙ストローとシードペーパー

今後の目標や展望

2024年8月に天王寺動物園で開催されたNight Zooでは、クラウンのFCEV(燃料電池自動車)を活用し、ライトアップの電気を給電しました。その際にも「TOYOTA CIRCULAR ACTIONS」の取り組みについて来場者へ説明するとともに、シードペーパーの配布を行いました。また、「水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室」でも同様の活動を実施しました。

これらの取り組みは、それぞれ異なる目的で始めたものでしたが、結果的に、大阪という地域で「生物多様性」「脱炭素」「サーキュラーエコノミー(資源循環)」をかけ組み合わせた取り組みになり、大きな反響を得ることができました。地域貢献とSDGsテーマのかけ合わせは相性が良く、長く続ける意義があると感じています。

こうした活動を継続していくことが重要だと考えています。大阪の人たちのために何ができるか、どうすれば認めてもらえるのかを追求し、「自動車を売るだけではない」企業として歩み続けたいと思います。

髙瀬 明仁
大阪トヨペット株式会社
営業企画部広報宣伝グループ 課長
1994年入社。営業・人事を経て、営業企画部を20年以上経験。現職では、大阪トヨペットと地域の方々とのつながりをつくるため、SDGsをテーマにした取り組みの企画実施を担当。「仕事は参加いただく方も、自分も楽しく」がモットー。
▼お問い合わせ先
●大阪トヨペット株式会社
●URL:https://www.osaka-toyopet.jp/company/

本特集(サステナライズ寄稿)に関してはこちらからお問い合わせください。

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