マイナビは、2025年卒採用の内定状況と2026年卒採用の見通しなどをまとめた、「2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」の結果を発表した。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: main-2-1024x576.jpg
「2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」を発表

■25年卒の採用充足率は70.0%で、現行のスケジュールとなった17年卒以降過去最低

25年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は70.0%(前年比5.8pt減)で3年連続の減少となり、現行の採用スケジュールになった17年卒以降、同時期の調査で過去最低に。

採用充足率と内定者満足度の年次推移

また、採用活動が「前年より厳しかった」割合は46.5%と半数を割ったものの20年卒~22年卒の調査と比較すると高い傾向に。

前年と比べて、今年の採用活動の印象は

厳しかった理由は、「母集団の確保」が3年連続で増加し8割を超えるなど、母集団形成で苦戦を強いられている状況が伺える。

採用活動が厳しかった理由

■26卒採用予定数を「増やす」予定の企業は微減し「今年度並み」が増加

26年卒で採用予定数を「増やす」企業は前年比2.6pt減、「今年度並み」は前年より2.8pt増加。採用充足率の低下を受けて採用予定数を増やすのではなく、現状維持とする企業が多くなっていることが分かった。

次年度の採用数について

採用スケジュールについては、「25年卒より早める」という企業が42.8%となり、採用予定数の確保に向けて今年より前倒しで採用実施を検討する企業が多いことが明らかに。

26卒と25卒の採用時期の比較

■約3割の企業で2024年新卒入社社員の退職あり。2020年入社の4年目社員の「5割以上が退職」という企業が2割近くに

社員の退職について、24年の新入社員で、入社から調査時点(9~10月)までの約半年間に退職者がいたと回答した企業は28.1%。そのうちの退職割合で最も多いのは「1割未満」だった。

卒業年次別・新入社員の現在の退職状況

20年~24年に新卒入社した社員の現在の退職割合を見ると、「5割以上」が退職したという企業の割合は、24年・23年の新入社員ではわずかだが、22年の新入社員(2年前に入社)では9.8%と1割近くだった。

また、21年の新入社員(3年前に入社)では15.3%、20年の新入社員(4年前に入社)では17.5%と増え、4年前に入社した社員が現在半分以下になっているという企業が2割近くあることが分かった。

卒業年次別・新入社員の現在の退職割合

■上場企業の2割近くが、内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」の導入を検討

内定や入社を辞退した学生に対し、将来その学生が中途採用で再び応募する際の選考を一部免除するといった、「就職ファストパス」について、現時点では87.3%の企業が「実施しておらず、検討もしていない」と回答。実施企業は2.0%とわずかであった。

一方で、「実施していないが、実施を検討している」という企業も10.7%と1割超存在しており、上場企業では17.0%と2割近い企業が今後実施を検討していることが分かった。

内定辞退による母集団不足も問題視されるなかで、新卒採用では入社にいたらなかった優秀な人材に対して、中長期的な視野でアプローチをしていく施策の1つとして、一部の企業で導入・検討されていることが伺える。

「就職ファストパス」について

【調査概要】
調査期間:2024年9月6日~2024年10月4日
調査方法:
・採用・育成・組織戦略の課題に寄り添うマイナビ運営の情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内
・マイナビ2025利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内
調査対象:「HUMAN CAPITALサポネット」会員および新卒採用実績のある企業
調査機関:自社調べ
有効回答数:1,616社 (上場126社、非上場1,490社|製造588社、非製造1028社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある。

<参考>マイナビ「2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査