エスペックは、「あいち次世代モビリティ・テストラボ」として、愛知県常滑市に「あいちバッテリー安全認証センター」を開設するとともに、「豊田試験所」の機能を拡張すると発表した。
これにより、主に中日本エリアにおける車載用バッテリーおよびEV・自動化モジュールの受託試験サービスを強化するという。
モビリティ業界では、EVの普及を背景に、車載用バッテリーの大型化・高容量化の開発が進むとともに、MaaSによる移動の利便性向上に向けて自動運転技術の開発が加速。これにより、車載用バッテリーの安全性確保やEV・自動化モジュールの信頼性確保に向けた試験需要が高まっているとしている。
そこで同社は「あいち次世代モビリティ・テストラボ」構想を掲げ、今回の開設に至ったという。
新設する「あいちバッテリー安全認証センター」では、最新の試験設備の導入により大型化・高容量化が進むバッテリーの安全性試験に対応し、EVの心臓部とも言えるバッテリーの性能・品質を支えるとのことだ。
「豊田試験所」では、EV・自動化モジュールの動作状態での使用環境を再現し評価・計測するサービスを新たに強化することで、EVおよび自動運転技術の開発における課題解決に貢献するとしている。
■「あいちバッテリー安全認証センター」について
【特長】
(1)最新設備と確かな試験技術・知見により、安全・安心の受託試験サービスを提供
・コンクリート構造の安全性試験室を3室(10×8メートル1室、6×5メートル2室)設置
・自動車が1台入る試験室(6×4メートル)、減圧試験装置(2.8×1.8メートル)、冷熱衝撃装置(2.8×2.1メートル)など大型試験設備を導入
・安全に試験が行えるよう万全の消火・排気処理・排水システムを完備
(2)国連規則ECE R100に対応した安全性試験・認証のワンストップサービスを提供
第三者試験認証機関であるテュフズードジャパンとの提携のもと、国連規則ECE R100に対応した安全性試験・認証のワンストップサービスを提供
(3)国連規則ECE R100をはじめとする各種試験規格に対応
・自社開発のガスバーナーを用いた耐火試験など国連規則ECE R100の安全性試験に対応
・国連勧告輸送試験UN38.3や中国のGB規格、メーカー各社規格など各種規格に対応
【施設概要】
住所:愛知県常滑市りんくう町1-25-25
設立:2025年2月(予定)
予約受付開始:2024年10月
延床面積:1,300平方メートル
敷地面積:7,500平方メートル
試験設備:
安全性試験室、大型冷熱衝撃装置、外部短絡試験装置、恒温恒湿室、充放電装置、大型減圧試験装置、耐火試験装置(バーナー)、釘刺し試験装置、落下試験装置、水没水槽など
安全設備:消火、排気処理、排水システム
使用電力:再生可能エネルギー(予定)
■「豊田試験所」について
【特長】
(1)e-Axle・PCU・ECUなど供試品の大型化に対応
・大型モジュールの実車環境を想定した環境・動作試験
・大型モジュールの水環境下を想定したアイスウォーター(水没)試験
(2)EV・自動化モジュールの動作状態での使用環境再現により評価・計測するサービスを強化
・大型モジュールの動作試験における熱マネジメント評価
・車載SoCにおいて、電子部品の微細化による絶縁性評価や基板の多層化による接合性評価に対応
【施設概要】
住所:愛知県豊田市聖心町3-44-1
延床面積:3,800平方メートル
敷地面積:4,000平方メートル
試験設備:
恒温恒湿器、ハイパワー恒温恒湿器、冷熱衝撃装置(試料静止型)、冷熱衝撃装置(昇降式)、槽冷熱衝撃装置、恒温器、小型環境試験器、小型冷熱衝撃装置、落下試験装置、温(湿)度・振動複合環境試験装置(水平・垂直2軸切替式/3軸切替式)、急速温度変化チャンバー、高度加速寿命試験装置など26機種200台
導入予定設備(2025年3月までに導入予定):
恒温恒湿室、大型恒温恒湿器、ハイパワー恒温恒湿器、冷熱衝撃装置、高電圧絶縁抵抗評価システム、導体抵抗評価システム、双方向電源、マイクロスコープ、アイスウォーター(浸漬)試験器
使用電力:再生可能エネルギー導入済み