Indeed Japanは、子育てをしながら正社員として働く、もしくは正社員就業意向のある、18~49歳の既婚男女2,060名を対象に、「共働き子育て夫婦の働き方・キャリアにおけるジェンダーギャップ調査」を実施し、その結果を公表した。

■第一子の出産や育児をきっかけに「仕事や働き方を変えた」女性は6割以上にのぼる一方で、男性は約3割にとどまる

同調査で子どもが生まれるまで正社員として働いてきた人に、第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事や働き方が変わったか聞くと、「変わった(変える予定)」と答えた人は、女性で62.3%、男性で34.5%という結果に。

男女ともに正社員としての就労意欲を持っている前提は同じであっても、女性の方が仕事や働き方を変える割合が1.8倍高く(27.8ポイント差)、ジェンダーギャップがあることが明らかになった。

第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事や働き方が変わったか

また、「仕事を辞めた(辞める予定)」と答えた人は、女性13.7%、男性3.4%で、女性の方が4倍以上高い割合となり、ここにも男女差があることがわかる。

第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事を辞めたか

■仕事や働き方を変えた人のうち、男性の約1割、女性の約3割が「不満を感じる」と回答

第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事や働き方を変えた人に対して、仕事や働き方・キャリアを変えたことに満足しているか尋ねると、「不満である」と回答した男性は14.7%に対して、女性は34.7%という結果に。不満を持つ割合は女性の方が高く、男性の2.4倍に上った。

第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事や働き方・キャリアを変えたことに満足しているか

■働き方・キャリアを変えたことへの不満の理由、男女差が最も大きかったのは「パートナーではなく、自分だけが変更を強いられていると感じるため」

第一子の出産や育児をきっかけに仕事や働き方を変えたことが「不満である」と回答した人にその理由を聞いたところ、不満を感じている理由の上位2位は男女間で共通し、1位が「やりたい時間・量で働けていないため」(男性44.7%、女性51.7%)、2位が「目指す収入が得られなくなったため」(男性33.7%、女性51.0%)という結果に。

3位以下の理由は男女間で傾向が異なり、男性は3位「キャリアアップにチャレンジできないと感じているため」が28.4%、4位「環境や周りの理解があれば、本当は働きたかった/違う働き方がしたかったため」が21.7%と、自分のキャリアを思うように前に進められないことが理由として挙げられた。

一方で女性は3位「パートナーではなく、自分だけが変更を強いられていると感じるため」が44.0%、4位「キャリアが中断されたと感じるため」が29.6%と、キャリアの継続そのものが難しいと感じていることが理由となっている傾向が伺えた。

また、男女間のスコア差を確認すると、最も男女差が大きかったのは、「パートナーではなく、自分だけが変更を強いられていると感じるため」で、女性は44.0%、男性は12.2%と、31.8ポイント差が出る結果に。

第一子の出産や育児をきっかけに仕事や働き方を変えたことが不満である理由

■正社員夫婦において、家庭における育児分担割合は平均「夫4割弱:妻6割強」

正社員夫婦に、家庭における自身と配偶者・パートナーの育児割合を尋ねたところ、男性では「夫3割:妻7割」の回答が最も多く26.8%、ついで「夫5割:妻5割」の回答が多く20.4%という結果に。

女性では「夫2割:妻8割」の回答が最も多く19.6%、ついで「夫5割:妻5割」の回答が多く17.3%と続いた。

また、回答を加重平均すると、男性の回答平均は「夫37.0%:妻63.0%」、女性の回答平均は「夫38.2%:妻61.8%」でした。男女ともに育児分担割合は平均「夫4割弱:妻6割強」の状況にある結果に。

正社員夫婦の育児分担割合

■育児のために男性は月平均1.25回、女性は月平均1.34回仕事を調整

正社員夫婦に、現在育児のために、緊急の早退や残業など仕事の調整が必要なことがどの程度あるか聞くと、「週に1回以上」「月に2-3回程度」「月1回以上」「2-3ヶ月に1回程度」のいずれも、男性よりも女性のスコアがやや高く、平均すると男性の仕事調整頻度は月1.25回、女性の仕事調整頻度は月1.34回という結果に。

なお、育児のために仕事を調整することは「まったくない」と回答した人は、男性は24.6%、女性は16.7%で、男性と7.9ポイントの差があった。

育児のために仕事の調整をどの程度しているか

■仕事の調整理由は「子どもの急な体調不良など不慮の対応」「子どもの関連行事への参加」

育児のために仕事の調整が必要な理由で、男女間で10ポイント以上の差があったのは、男女ともに育児による仕事調整理由の1位であった「子どもの急な体調不良など不慮の対応」で男性54.5%、女性71.2%と、16.7ポイント差、2位の「子どもの関連行事への参加」で男性35.5%、女性48.6%と13.1ポイント差だった。

育児のために仕事の調整が必要な理由

■仕事の調整内容で「仕事の遅刻・早退・中抜け」「欠勤・有給取得の頻度」が増加したのは女性が多い

第一子誕生後に増加した仕事の調整内容を聞いたところ、男女間で10ポイント以上の差があったのは、男女ともに調整量が増加した内容の1位であった「欠勤・有給取得の頻度」で男性46.6%、女性66.6%と20.0ポイント差と、2位であった「遅刻・早退・中抜けの頻度」で男性35.1%、女性62.1%と27.0ポイント差という結果に。

第一子誕生後に増加した仕事の調整内容

<参考>
Indeed Japan『「共働き子育て夫婦の働き方・キャリアにおけるジェンダーギャップ調査」を実施