東急は、11月1日に、現業に従事する従業員の制服を、現場の第1線で活躍する従業員の安全性と着心地の向上、資源の有効活用などを目的にリニューアルすると発表した。

今般のリニューアルにあわせ、性別による貸与の差異をなくしたほか、制帽は各自が着用するデザインを選択できるようにしたという。また、地球資源の有効活用と廃棄物の削減を目指し、着用する機会が少ない季節限定の制服類を廃止することとしたとのことだ。

着用を終了する現行の制服は、環境に配慮し未使用の生地や制服を活用してグッズなどにアップサイクルするほか、伊藤忠商事とレゾナックが共同で行っている、繊維リサイクルの課題解決循環型プロジェクト「ARChemia(アルケミア)プロジェクト」(※)に参画し、使用済みの制服(一部)の再資源化を目指すとしている。

リニューアルした制服イメージ

■リニューアル概要

着用開始
11月1日初電から(予定)

対象
運転士、車掌、駅係員などの運輸系の現業に従事する従業員
電気、工務、車両などの技術系の現業に従事する従業員

デザイン
運輸系の制服に関しては、「安全・安心」「信頼」などを感じることができる紺色を基調としたモダントラディショナルスタイルを採用。スタイリッシュでありながら、動きやすさを重視したシルエットを追求。

技術系の制服に関しては、伝統色のオレンジ色は変更せず、デザインや生地の性能により安全性や機能性を向上させたという。

特徴
運輸系の制服は、季節によって変更していたネクタイやジャケットをオールシーズン利用可能とし、ネクタイは紺とストライプの2種類から選択式に変更。女性用のキュロットは安全性の観点から廃止。制帽は、官帽とハイバックの2種類あり、性別に関係なく選択が可能に。

技術系の制服は、作業時の不快感軽減のため、夏服の脇・背中部をメッシュ素材にするなど、通気性を向上。また、ブルゾン前面には、データ活用・分析、新たな技術活用による技術オペレーションの高度化に対応するため、8インチのタブレット情報端末が入るサイズのポケットを4つ配備。

運輸系の現業に従事する従業員の新制服/技術系の現業に従事する従業員の新制服

■着用を終了する現行の制服を活用した循環型社会への取り組み

今回のリニューアルで発生する使用済みの制服は、すべて回収し、資源循環に取り組むとしている。

子ども用制服の販売
未使用の制服生地を活用して、新制服デザインの子ども用ジャケットと半ズボンを数量限定で販売(2025年2月下旬頃配送予定)。「TOKYU STYLE」オンラインショップにて、10月1日から受付を開始予定。

子ども用制服イメージ

一般販売
未使用のシャツやネクタイなど一部アイテムを「鉄道お宝市」で販売(社名が入ったエンブレム等は取り外す)。

「ARChemiaプロジェクト」への参画
伊藤忠商事およびレゾナックが展開する「ARChemiaプロジェクト」に参画し、従業員が着用した制服の再資源化を目指すとのことだ。

渋谷ファッションウイークへの参画
未使用のシャツを、デザイナーを志す服飾専門学校の学生たちのリメイクファッションショーの素材として提供。10月開催予定の渋谷ファッションウイークのイベントにて、学生たちによるリメイク作品を披露するとともに、今般の新制服も披露予定。