Z世代向けの企画・マーケティングを行う「僕と私」は、全国のZ世代・Y世代・X世代、合計2,100人を対象に、「エモ消費に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。
「エモ」とは、一言で表現すると「ハッピーな共感」のことで、「エモ消費」とは、商品を買ったことで得られる世界観を軸とした消費行動を指す。
同社は、実際に消費者がモノ・サービスに対してどのくらい「共感」を重視しているのか、世代別に調査を実施した。
■Z世代は「共感」で消費やサービスを購入することが多い
まず、何らかのモノ・サービスに関して「共感」して取る行動に、どのようなものがあるか調査を実施。「よくある」の割合を見ると、いずれの項目でもZ世代がもっとも「共感」をベースとした行動を取っていることが明らかに。
その中でも特に、「商品やサービスを購入・利用する」ほか、「SNSでシェアする」「友達・家族などと話題にする」「誰かにおススメする」といった“シェア”に関する項目で他の世代と大きな差が見られた。
また、具体的にZ世代が「共感」したことで、商品やサービスの購入・利用した時のエピソードを聞いたところ、下記のような回答があがった。
・「友達の家に泊まった際に使ったシャンプーの香りに感動して購入した」
・「高校野球の9回サヨナラの場面に感動して記念タオルを購入した」
・「オレオを家族にオススメされて、オレオはたくさんの人が関わって出来た商品であることを知り、感動してオレオを購入した」
・「小さいとき、ディズニーランドに連れて行ってもらった。何もわからない小さい自分でもワクワク感が半端ないし、すごく楽しかった。大人になって、また何回も行った」
■Z世代の32.0%もがエモ消費タイプに分類される
Z世代のうちどのくらいがエモ消費のスタイルでモノやサービスを選んでいるのか、「モノ消費」「コト消費」など他の消費タイプとの比較、また、各世代間での違いを調査したという。
なお同調査では、各消費タイプを下記のように定義している。
回答方法は、それぞれの消費タイプに対して自身の経験と照らし合わせ、「非常に多い」「かなり多い」「やや多い」「どちらでもない」「やや少ない」「かなり少ない」「非常に少ない」の7段階で回答をしてもらい、スコア化(7~1点)し、最も高いスコアを得た項目をもって消費タイプとしている。
また同率のものがあれば、より深い項目の消費タイプと見なし、(モノ消費=トキ消費が同率1位だったらより深い「トキ消費」に分類)全部が同じ得点で、かつ4点以下(どちらでもない~少ない)の場合は、中立タイプに分類したという。
調査の結果、どの世代にもまんべんなくさまざまな消費タイプがいるものの、Z世代では「エモ消費」タイプが圧倒的に多く32.0%。「中立タイプ」を除けば2番目に多かったのは「モノ消費」タイプであるものの、約20%の開きがあることが判明。
Y世代に関しても、「エモ消費」タイプが21.5%を占め、2番目はZ世代と同様「モノ消費タイプ」だったが、その差はわずか6.2%となった。
X世代になるとトップは「モノ消費」タイプとなり、17.2%を占める結果に。一方で、2番目には「エモ消費」が入り、その差は2.7%とほぼ同等に。
同結果から、「エモ消費」は次の世代の消費活動を担うZ世代の大きな特徴と言えるものの、エモの感覚自体はあらゆる世代にも共通して理解される傾向にあることが分かった。
Z世代はSNSによる拡散力があるため、Z世代向けにエモマーケティングを行うことで全世代に波及できる可能性も秘めているのではないかと同社は考察している。
【調査概要】
調査名:Z世代/Y世代/X世代に聞いた!エモ消費に関する意識調査
対象条件:全国のZ世代(15~27才)、Y世代(28~43才)、X世代(44~59才)
調査期間:2024年6月28日~7月2日
調査方法:インターネットを利用したアンケート
調査有効回答数:2,100人(Z世代666人、Y世代672人、X世代762人)
<参考>僕と私と「エモ消費に関する意識調査」