シン・エナジーは、秋田県南秋田郡大潟村で建設を進めていた「もみ殻バイオマス地域熱供給プラント」の竣工式を執り行ったと発表した。

同プラントは、稲作の副産物である「もみ殻」を燃料とした地域熱供給プラント。もみ殻を燃料としてバイオマスボイラーで熱を発生させ、3.5kmの熱導管を通じてホテルや温浴施設に熱供給を行うという。これにより、化石燃料の使用量を削減し、年間約1,550トンのCO2排出量を低減できる見込み。

もみ殻を燃料とした地域熱供給プラントが竣工

プラントには、もみ殻に適したバイオマスボイラーや熱導管、SCADAシステムなど、高性能な設備を導入。また、地域熱供給ネットワークを構築することで、広範囲にわたって熱供給を行うことができる。

もみ殻を燃焼する際に発生する「もみ殻燻炭」は、農業資材として地域農家等に販売し、土壌改良剤や育苗培土として活用されるという。さらに、J-クレジット制度を活用した農地への炭素固定と経済的メリットの実現も見込んでいるとのことだ。

地域熱供給概要図

シン・エナジーは、エネルギーの地産地消を通じて、地域が豊かになる事業に取り組んでいる。大潟村においても、地元主導による「自然エネルギー100%の村づくり」の達成に向けた技術的な支援を行い、地域資源を有効活用した持続可能な暮らしと農業の実現に貢献していくとしている。

【地域熱供給事業概要】
プラント名称:もみ殻バイオマス地域熱供給プラント
建設場所:①秋田県南秋田郡大潟村字南1丁目60内(バイオマスボイラー) ②秋田県南秋田郡大潟村総合中心地内(熱導管)
導入設備:バイオマスボイラー:Linka Energy A/S社製 熱導管:LOGSTOR INTERNATIONAL Sp.z o.o.社製 SCADAシステム IGSS:Schneider Electric社製
熱供給事業者:オーリス
プラント敷地面積:7,330平方メートル
定格出力:熱出力 計700kW(350kW×2台)
着工月:2023年9月
熱供給開始予定月:2024年7月