水道機工は、沖縄県慶良間諸島の東端に位置する渡嘉敷島に「渡嘉敷浄水場」を竣工したと発表した。
同計画は、国が推進する「沖縄県水道広域化推進プラン」事業の一環で、同社が手掛けた3つ目の浄水場となる。
昨今、沖縄県は水資源の乏しさや浄水場の老朽化が問題となっており、特に離島は、本島と比較した際の「水の質・量の担保」や「水道料金の均一化」が難しく大きな課題となっている。
今回、こうした水道サービスにおける地域間格差の是正や有事におけるライフラインの維持を目的として事業推進及び竣工に至ったという。
同浄水場は、沖縄県内での輸送や本島から離島への海上輸送を考慮し、限られた大きさで必要な水量を確保できるように設計。浄水設備をユニット化し、キャスターの取り付け等をすることで、少人数での管理と他の島への輸送を容易にしているとのことだ。
また、既に水道機工が建設した2浄水場(伊是名・伊平屋)と互換性を持たせた設計で、災害時等に他の島の浄水場からユニット化した設備を移送することで、全ての島の水処理が可能。
さらに、管理動線を配慮した操作性が高いレイアウトに最適化しているほか、水質を測定し、最適な薬品注入率で稼働させることで、薬品コストを適正化しているとのことだ。
■「渡嘉敷浄水場」の概要
所在地:沖縄県島尻郡渡嘉敷村阿波連
敷地面積:8,008.64平方メートル
建築面積:1,802.77平方メートル
延床面積:1,730.16平方メートル
処理水量:725平方メートル/日
処理フロー:MF膜ろ過→粒状活性炭→マンガン接触ろ過→RO膜ろ過 ※粒状活性炭は今後の予定
構造:鉄筋コンクリート造 地上1階建て
着工:2020年10月15日
竣工:2024年7月1日