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オープンアップグループが運営する「幸せな仕事総合研究所」は、働く10~50代の男女・合計4,578名を対象に「2024年度 幸せな仕事に関する実態調査」を実施し、結果を公表した。
(1)働く10~50代の男女に聞いた「仕事に対する幸せ度」
2022年、2023年に引き続き、最高値100点として、現在の「仕事に対する幸せ度」を働く10~50代の男女に尋ねたところ、平均約55点という結果に。そのうち、「幸せ度80点以上の人々」は23.6%。「仕事に対する幸せ度」において各世代間での大きな差は見られなかった。
これまでの調査結果と比較すると、「仕事に対する幸せ度」は2022年度と比較して約5ポイント減少、2023年度比で約1ポイント減少しており、「幸せ度80点以上の人々」も0.7%減少(前回:24.3%)したため、「仕事に対する幸せ度」が年々減少しているとのことだ。
また、回答した「幸せな仕事度」のポジティブな理由を聞いたところ、全体で最も高かったのが「労働時間が適切で、残業や休日出勤が少ない」で20.1%、続いて「会社の人間関係が良好、仲が良い」が18.0%、「福利厚生などが整備されている」16.3%という結果となった。
ただし、Z世代では「福利厚生などが整備されている」という項目が17.5%と、昨年同様最も高く、全体平均の16.3%を若干上回っている。
(2)幸せな仕事の実現にも直結する社会課題「人手不足」について
2024年度の幸せな仕事に関する同実態調査は、働き手に対する「人手不足に関する実態調査」も実施。
「仕事における人手不足を感じる機会」について尋ねたところ、「人手不足を感じている」人は全体で60.6%も存在しており、過半数以上の働き手が「人手不足」を感じる環境に身を置いていることが判明。
さらに、「人手不足を感じた瞬間」としては、「十分な人員がいないため、作業時間が足りない場面」が最も多く、全体の53.6%という結果になった。
これらの結果からも、現代の企業はやはり人手が足りていない状況にあり、人手不足が「作業時間が足りない」といったような悪影響まで及ぼしていることがうかがえる。
また、「人手不足」が及ぼす問題を改善するには何が最も必要か(※人材の採用を除く)尋ねたところ、「人材育成、スキルアップの機会創出」が必要と回答した人が40.3%と最も多い結果に。
どういったスキルアップの制度を会社・組織に望むか尋ねてみたところ、「専門知識や個人に必要なスキルを向上させるためのトレーニング制度」という回答が21.2%で最多。
全体とZ世代のギャップでは、「個別のカウンセリング制度」「経験豊富なメンターとのマッチングによるプログラムの実施」といった回答が目立った。
Z世代は、その他世代と比較して、個々に合わせた密に成長を支援できるコミュニケーション支援を求める傾向にあると同社は考察している。
(3)幸せな仕事の実現にも直結する課題解決の手法「DX」について
同調査では、人手不足が叫ばれている中、解決策の一つの糸口になると考えられる「DX」についても調査を実施したという。
所属する会社でDXが進んでいると思うかと尋ねたところ、「DXが進んでいる」と評価したのは全体の27.3%という結果に。中でもZ世代は48.4%が「DXが進んでいる」と評価しており、若年層が所属する企業・組織の方がDXは進んでいる傾向にあると同社は考察。
また、「DXの必要性を感じている」と回答した人(全体の36.8%)に対して、DXが必要だと考える理由を尋ねたところ、「人手不足の改善のため」という回答が48.6%と最多となった。
特にZ世代では、61.1%とその傾向が顕著で、その他世代と比べて、仕事を簡易化することで効率化を図り、無駄な仕事を省きたい・自身の生産性を向上させたい等の価値観が表れている可能性もあるとしている。
加えて、「業務・コミュニケーションの効率化」に向けてDXを推進すべきと考えるZ世代の割合に関しても、その他世代と比較して12.5%多い。
Z世代は、その他世代以上に、最新のチャットツール等も活用することで、迅速・柔軟に業務やコミュニケーションを進めていきたい意向もあると同社は考察している。
【調査概要】
[調査方法]インターネット調査
[調査時期]2024年5月25日~5月29日
[調査機関]Grillリサーチ
[調査対象]働く10代から50代の男女計4,578名
※Z世代:18~28歳/ミレニアル世代:29~44歳/氷河期世代:45~53歳/バブル世代:54~59歳
<参考>
株式会社オープンアップグループ調べ『2024年度 幸せな仕事に関する実態調査』