一般社団法人日本リカバリー協会は、全国10~14万人に対し、健康および生活状況に関する調査「ココロの体力測定」を実施し、その結果を公表した。

同調査は、一般社団法人日本疲労学会・ベネクスと共同で実施し、調査結果から「元気な人」「疲れている人(低頻度)」「疲れている人(高頻度)」を抜粋し、「日本の疲労状況」としてまとめたという。

■「疲れている人(高頻度)」は計測以来のピークに

同調査で、2023年から2024年の疲労状況の推移をみると、「元気な人」が2023年の21.5%から2024年は21.8%と微増。「疲れている人(高頻度)」も2023年の38.6%から2024年39.8%と微増している結果に。

昨年と比べ大きな変化はないが、依然として全体の約8割の人が「疲れている」ということが明らかになった。

疲労状況(2023-2024年比較)

計測を開始した2017年からの推移をみると、「疲れている人(高頻度)」が最も少なかった2019年の36.6%から2024年は44.2%へと増加し、2020年以降は40%を割ることはなく、ゆるやかに上昇している結果に。

疲労状況(7年間比較)

■「疲れている」女性は80.4%、男性より4.3ポイント多い結果に

男女別の比較では、「疲れている人(高頻度+低頻度)」の割合は男性が76.1%、女性が80.4%となり、女性が4.3ポイント多いことが明らかになった。

疲労状況(男女比)

■シニア世代の「元気な人」は多い中、30代の疲労はさらに深刻に

年代別では、2023年に引き続き、男女共に年代が上がるほど「元気な人」が増え、「疲れている人(低頻度+高頻度)」が減少する状況は変わらず、60代以降の年代では「元気な人」が「疲れている人(高頻度)」の割合を上回る結果に。

一方で、最も「疲れている人(高頻度)」が多いのは30代で54.1%、次いで20代で52.5%、40代で48.9%と続いた。

疲労状況(年代別)

年代別の疲労状況を男女で比較すると、とくに30代の女性は「元気な人」が9.2%と1割を切ることが明らかになった。また、「疲れている(高頻度)」が50%を越えているのは、男性では30代、女性では20~40代という結果に。

疲労状況(年代別・男性/女性)

■元気な人が多い都道府県は和歌山県、疲れてる人が多いのは岩手県

都道府県別では、「元気な人」の多い都道府県は1位和歌山県、2位徳島県、3位京都府、4位山口県、5位大分県という結果に。一方「疲れている人(高頻度)」が多い都道府県は1位岩手県、2位、宮城県、3位東京都、4位福島県、5位千葉県と続いた。

疲労状況(都道府県別)

■睡眠が5時間未満の人は20.3%と2023年とより増加、睡眠時間は減少傾向

疲労状況に深い関わりを持つ睡眠時間の状況をみてみると、2024年の睡眠時間は、5時間未満20.3%、5時間以上6時間未満23.5%、6時間以上8時間未満50.2%、8時間以上6.0%という結果に。2023年と比較すると、5時間未満の人は1.26倍増加し、全体的に睡眠時間は減少することが明らかになった。

睡眠時間(2023-2024年比較)

疲労度合別にみると、5時間未満睡眠では「疲れている人(高頻度)」が26.1%に対し、「元気な人」は14.1%、6時間以上8時間未満では「疲れている人(高頻度)」43.6%に対し、「元気な人」は57.6%という結果に。

睡眠時間(疲労度別)

■元気な人は、睡眠時間以外の休養時間を2時間以上取っている

心身のリカバリーに重要な休養時間の結果をみると、休息・くつろぎ時間が1時間未満の人は2023年24.3%に対し2024年は33.7%と増加する結果に。一方、4時間以上の人は2023年11.7%に対し2024年は10.1%と減少。

休養時間(2023-2024年比較)

また、疲労状況別で比較すると、休息・くつろぎ時間が1時間未満の人は「疲れている人(高頻度)」が41.6%なのに対し、「元気な人」は25.0%。4時間以上の人では「疲れている人(高頻度)」が7.2%に対し、「元気な人」は15.6%という結果に。

休養時間(疲労度別)

<参考>
一般社団法人日本リカバリー協会「全国10万人調査から「日本の疲労状況2024」を発表「疲れている人」が7162万人、30代の疲労は更に深刻に