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伊藤園は、全国20代~60代の便秘・軟便の自覚症状がある男女500人を対象に、排便状態と対策に関する意識調査を実施し、その結果を公表した。
“令和うんち”とは、令和特有のストレスや睡眠不足、運動不足、食生活の乱れなど、社会的要因の影響で慢性的に不調気味になっている排便状態のことを指すとしている。
■便秘・軟便の自覚症状がある人のうち、約3人に1人がお通じに慢性的な悩みを抱える“令和うんち”と判明
「便秘ぎみ」または「軟便ぎみ」、もしくは両方を自覚する人に、普段の生活でお通じに困っていることがあるか聞いたところ、「慢性的にある」と答えた人が32.3%、「時々ある」と答えた人が54.2%と、“お通じで困っていると自覚している人”が86.5%いることが分かった。
特に「慢性的にある」の回答で、約3人に1人が日常的に悩まされているという、現代社会のお通じ問題が浮き彫りになった。
また、調査前に実施したスクリーニング(ランダムに選んだ20~60代男女、549名が対象)で聞いた、直近の排便状態に関する質問(「便秘ぎみ」「軟便ぎみ」「どちらでもない」から該当するものを複数回答)では、「どちらでもない」の回答者が0人だったとのことだ。
“お通じで困っていると自覚している人”のうち、自身の排便状態を「便秘ぎみ」と回答した人は75.1%、「軟便ぎみ」と回答した人は32.6%、そのうち7.4%が両方の症状を自覚。さらに男女別でみると、男性は「軟便ぎみ」、女性は「便秘ぎみ」の傾向があることが明らかに。
■背景には、ストレス社会に生きる人の生活習慣の乱れが
便秘・軟便の要因となる「ストレス」「運動不足」「食生活の乱れ」「睡眠不足」など4つの生活習慣について聞いたところ、
・83.0%がストレスを感じている。
・82.3%が最近運動不足だと感じている。
・55.6%が最近食生活が乱れていると感じている。
・68.9%が最近睡眠不足だと感じる。
など、4つすべての設問に対して半数以上が生活習慣の乱れを感じていることが分かった。
■約60%が「対策をしていない」と回答
便秘・軟便の自覚症状に対して対策を行っている人は40.1%にとどまり、59.9%の人が「対策していない」と回答。また、「対策している」人の37.3%が効果を実感している対策は「ない」と回答したという。
「対策していない」人の67.3%は「3年以上対策していない」ことが分かり、便秘・軟便症状を自覚しつつも長い間対策できてない人がいることが明らかに。「対策を行っていない」人のうち、便秘を自覚する人は54.6%、軟便を自覚する人は67.9%で、軟便の人のほうが対策できていない傾向があった。
対策を行っていない理由を聞いたところ、どちらの症状とも1位が「何をしていいかわからない」、2位が「体質だと思って仕方ない」という結果となった。
■便秘を自覚している人よりも、軟便を自覚している人の方が食物繊維摂取が低い
便秘・軟便の自覚症状がある人が実際に行っている対策を聞いたところ、「水分補給」、「ヨーグルトなど乳酸菌製品を食べる」、「運動する」などが主な対策方法としてあがったという。
「食物繊維の摂取」については、便秘症状を自覚している人は3人に1人(31.8%)、軟便症状を自覚している人は約7人に1人(15.1%)摂取している状況で、軟便症状を自覚している人の方が食物繊維摂取への意識が低いことが分かった。
さらに、食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類があるが、「水溶性食物繊維」を意識して摂っているかを聞いたところ、約80%の人が「意識して摂っていない」と回答した。
■水溶性食物繊維の一種「グアーガム分解物」の認知度は、わずか13%
次世代の食物繊維として注目されている水溶性食物繊維の一種「グアーガム分解物」を知っていたかという質問に対しては、5.8%が「名前も働きも知っている」と回答し、7.1%は「名前は知っているが働きまでは知らない」、87.1%の人が「名前も働きも知らない」という結果となった。
【調査概要】
調査期間:2024年4月6日~9日
調査対象:20代~60代、便秘・軟便の自覚症状がある男女(男女比1:1)
※スクリーニングで「直近のあなたの排便状態について、あてはまるものを教えてください」と質問し、「便秘ぎみ」「軟便ぎみ」のどちらか、または両方を選んだ500人が対象(選択肢は「便秘ぎみ」、「軟便ぎみ」「どちらでもない」を用意し、複数回答とした)
地域:全国
調査方法:インターネット調査
サンプル数:500名
※グラフ内の小数点以下第1位は四捨五入して表示。
<参考>
伊藤園『排便状態と対策に関する意識調査』