約7割の男性が育休を「取得していない」　育休を取得しない理由1位は「社内の男性の育休制度が十分に整備されていない／前例がない」

エフアンドエムネットは、管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH（労務サーチ）」にて、子をもつ20歳以上の男性180名を対象に、育休（育児休業）に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表した。

■71.1%の男性が育休を「取得していない」

職場で男性向けの育休制度が導入されているか聞いたところ「導入されている」が64.4%、「導入されていない」が28.9%、「わからない」が6.7%となり、回答者が勤務する6割以上の企業では、男性向けの育休制度が導入されていることが分かった。

次に、育休を取得したか聞いたところ、「取得していない」が71.1%、「取得した」が28.9%と取得しない人のほうが圧倒的に多い結果に。

また、前問で「（職場で男性向けの育休制度が）導入されている」と回答した人のうち、育休を「取得した」人は42.2%、「取得していない」人は57.8%で、職場で男性向けの育休制度が導入されていても利用者は少ないことが伺える。

■育休を取得しなかった理由の第1位は「社内の男性の育休制度が十分に整備されていない／前例がない」

育休を取得しなかった理由については、第1位は「社内の男性の育休制度が十分に整備されていない／前例がない」で25.0%、第2位は「社内で男性が育休を取得しづらい雰囲気がある」が23.4%、第3位は「仕事が忙しい／業務内容が多い」で21.9%だった。

育休取得の「前例がない」ことが男性社員が育休を取得しない大きな原因となっていることが伺える。

■育休を取得した回答者の育休期間は「1週間以上2週間未満」が最多

育休を「取得した」と回答した人の育休期間については、第1位が「1週間以上2週間未満」で25.0%、第2位が「2週間以上1カ月未満」で21.2%、第3位が「1カ月以上3カ月未満」で17.3%だった。

また、育休を取得した人のうち、7割以上が1カ月未満の回答を選択していることから、男性の育休取得期間は1カ月未満と短めなことが明らかに。

■男性の育休期間の理想は「1カ月以上3カ月未満」

男性の育休期間はどのくらいが妥当だと思うか聞いたところ、「1カ月以上3カ月未満」が28.3%と最多、次に「2週間以上1カ月未満」が20.0%、「3カ月以上6カ月未満」が16.1%だった。

実際に取得した育休期間としては、「1週間以上2週間未満」が最多だったが、理想は「1カ月以上3カ月未満」が最多となり、多くの男性は現状の育休期間に満足していないことが伺える。

■65.0%が男性の育休の取得義務化に「賛成」

2025年4月から、従業員数が100名を超える企業においては、男性の育休取得率の目標値を設定し、公表することが義務づけられる。

そこで、男性の育休の取得義務化について、賛成か反対か調査したところ、「賛成」が65.0%、「どちらでもない」が23.3%、「反対」が11.7%という結果に。

また、男性が育休を取得することについて、賛成か反対かという質問には、「賛成」が79.4%、「どちらでもない」が16.7%、「反対」が3.9%と約8割の人が男性の育休取得に関してポジティブに捉えていること分かった。

■今後、子どもが生まれても育休を取得したくない理由の第1位は「仕事への影響が心配」

もし今後子どもが生まれるとしたら、育休を取得したいと思うか聞いたところ、「取得したい」が52.8%、「どちらかと言えば取得したい」が32.2%、「どちらかと言えば取得したくない」が11.7%、「取得したくない」が3.3%だった。

8割以上の男性が、今後は育休を「取得したい」もしくは「どちらかと言えば取得したい」と回答する結果に。

次に、前問で「どちらかと言えば取得したくない」もしくは「取得したくない」と回答した人に、その理由を聞いたところ、「仕事への影響が心配」が33.3%と最多となり、次いで「収入を減らしたくない」が26.0%、「社内で男性が育休を取得する理解が不足している」が18.5%、「仕事への責任感やプレッシャーがある」が14.8%という結果に。

また、育休を取得したくない理由として、「仕事への影響が心配」を選んだ人が最多となり、男性社員の育休取得を促進するには、社内で育休社員をカバーできる体制を整える必要があるのではないかと同社は考察している。

【調査概要】
調査対象：20代以上の育休が付与される条件を満たす男性
調査方法：クラウドワークスを用いたインターネット調査
調査日：2024年2月16日～2024年2月29日
掲載記事：男性の育休（育児休業）に関するアンケート調査結果

＜参考＞労務SEARCH『男性の育休（育児休業）に関するアンケート調査』