エン・ジャパンが運営する、派遣の仕事探しサイト「エン派遣」は、2024年3月度の三大都市圏における募集時平均時給を分析。その結果、三大都市圏の平均時給は1,696円となり、過去最高額を記録した。
■概況
2024年3月度の三大都市圏平均時給は1,696円(前月比+13円・0.8%増、前年同月比+44円・2.7%増)で、過去最高時給を記録。前年同月比を上回るのは、19か月連続だという。
職種別で見ると、【オフィスワーク・事務系】【営業・販売・サービス系】【IT・エンジニア系】【技術系】【医療・介護・福祉・教育系】【軽作業・物流・工場・その他】の6職種が前年同月比を上回る結果に。労働力不足による採用難度の上昇から、全体的な時給の上昇が続く中、職種ごとの上り幅には差が生じている。
前月比では-7円となったオフィスワーク・事務系。例年1月頃から登場するという「4月就業開始の求人募集」は、求人数・時給ともに2月にピークを迎え、3月はやや下がる結果となった。
一方で、前年同月比で見ると時給は+42円(2.6%増)と、上昇が顕著な職種。求人の保有数が多い大手派遣会社が、派遣先企業への時給上昇の交渉を重ねてきたことで、オフィスワーク系全体の時給底上げに繋がっているという。
同じくIT・エンジニア系も、前年同月比+60円(2.4%増)と高い上昇率に。IT業種の企業に就業することが多い職種だが、特に利益率の高い業種であるため「人件費にも投資しやすい」という側面があるという。また、専門性の高さから採用難度が高いポジションも多いため、時給が引げられやすい傾向にあるとしている。
3月度、上昇は見られたものの前年同月比+2円(+0.1%)にとどまった医療・介護系。需要の高さに反し、業界全体で賃金が上がらず、人手不足が慢性化しているという。賃金が上げられない背景には、介護報酬の制限が国に定められていることや昨今の物価高により、利益化の難しい業態であることが挙げられるとのことだ。