千葉工業大学は、同大学の学生が開発した超小型衛星「SAKURA」が、国際宇宙ステーションへの打ち上げに向けて、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き渡されたことを発表した。
世界の宇宙産業はここ数年で数倍に拡大しており、日本でも旧来の宇宙企業に留まらず多くのベンチャー企業が宇宙ビジネスアイデアを提案し企業活動を開始しているという。しかし、新たなビジネスアイデアを実現するために不可欠な技術者が圧倒的に不足しているとのことだ。
同大学では、衛星づくりができる技術者を育成するために、2021年4月より「高度技術者育成プログラム」を実施。4月11日には初号機の「KASHIWA」が国際宇宙ステーションから放出されたという。
それに引き続き、今回「SAKURA」がJAXAに納入。同衛星は2022年7月に当時の学部2年生が開発に着手した10×10×10センチメートルの超小型衛星(1Uキューブサット)(※1)で、同プログラムでは3号機となるという。
同衛星では衛星基本機能の宇宙空間での動作確認とともに、撮影した画像1枚を地球上で画像に復元することをミニマムサクセスレベル(最低成功条件)として設定。
それ以外にも、太陽の観測や火山・洪水・台風を対象とした地球観測、APRS(※2)による一般アマチュア無線家へのメッセージ送受信にも挑戦するとしている。
(※1)1辺10センチメートルの立方体サイズ・1キログラム程度の質量からなる(1Uサイズの)超小型衛星。
(※2)Automatic Position Reporting Systemの略で、アマチュア無線局がアマチュア無線電波上に生データをリアルタイムに配信するパケット通信プロトコル。