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クラシコは、4月から施行される医師法改正を前に、24~59歳の医師200名を対象に「医師の白衣に関する調査」を実施し、その結果を公表した。
■労働時間の約8割において白衣を着用。白衣を着るシーンTOP3は「外来診療」「入院患者の診療」「患者家族等との面会」
1日当たりの労働時間と白衣の着用時間について聞いたところ、1日の労働時間は平均9.0時間、そのうち白衣の着用時間は平均7.1時間と、約8割もの時間を白衣で過ごしていることが明らかに。
白衣を着るシーンとしては、全体では「外来診療」「入院患者の診療」「患者家族等との面会」の順で多く、中でも「外来診療の時」の着用率は、整形外科・精神科では100%の回答になった。
全体では4位以下だった項目でも、「院内会議に出る時」は産婦人科・放射線科・麻酔科が6割超と高く、「学会に行く時」は救急科・放射線科が比較的高くなり、診療科ごとに白衣の着用シーンに違いが見られた。
■白衣は「購入派」42%、「病院支給派」58%。約半数が現状の白衣に不満。
白衣の入手環境について聞いたところ、自分で購入した人は42.0%、病院支給の人は58.0%と病院支給の方が多い結果に。
また、病院支給の人のうち「病院支給のため、満足なものを選べなかった」人は34.5%と、病院支給の3人に1人が長時間着用する白衣について選べない環境で、不満を抱えたまま着用していることが分かった。
さらに、購入派も含め現状の白衣に不満を感じる点について聞いたところ、約半数が不満を回答。
回答数の多い不満をみると、伸縮性のなさ、ポケットの小ささなど、肉体労働が多く物を持ち歩くような業務に一般的な白衣の機能が合っていないことが見受けられた。また、着心地や肌ざわりなど、素材自体への不満も伺える結果に。
■白衣に求めることは機能性だけでなく“デザイン性”。男女別・診療科別で、求めることに違いも。
白衣に求めることについて聞いたところ、「長時間着ても楽な着心地の良さ」「汗をかく環境でも快適な通気性・速乾性」「見た目をよく見せる質感やデザイン性」が上位に。
着心地の良さが前提としてありつつ、機能性だけでなくデザイン性についても同等に重視する意向が強いことが伺える。
また、TOP3において男女別の回答を比べると、全てにおいて男性よりも女性の方が必要と感じている割合が高くなった。
また「丈が長く、おしりまで隠れる」については女性の回答率が男性の3倍以上に上り、動いた時に背中や腹部が見えることが気にならず、おしりなど体型が出ないようなユニフォームの需要が見られた。
次に、診療科別でみると、「見た目をよく見せる質感やデザイン性」は、小児科や産婦人科など、精神面でのサポートが重視される科や院内会議や学会での白衣着用率が全科の中で最も高かった放射線科、外来時の白衣着用率が100%であった整形外科と精神科にて、平均を上回った。
「キャラクターイラストやカラフルな色など印象を和らげるデザイン」は、子どもを相手取る小児科や専門外の医師との連携が求められる放射線科において回答率が高かった。
また、「丈が短い、ジャケットタイプ」は、院内会議や学会の着用率が比較的高い、呼吸器科・消化器科・循環器科・産婦人科・救急科・放射線科・麻酔科で平均を上回った。
汚れから守る観点では丈の長いドクターコートに及ばないものの、スーツのようにスタイリッシュで、移動の際の足捌きも楽だからこそ、臨床時以外での使用シーンを鑑みて選ばれているのではないかと同社は考察している。
また、「自宅の洗濯機で洗えること」という回答は、放射線科と整形外科で重視される傾向に。整形外科に関しては、「クリニック勤務医(院長含む)」の割合が57.1%と全体平均の3倍に上った。
【調査概要】
調査期間:2024年1月25日~1月26日
調査対象:普段白衣とスクラブを両方月1回以上着ている、24~59歳の医師200名
調査方法:インターネット調査
調査会社:ネオマーケティング
<参考>クラシコ「医師の白衣に関する調査」