INDEX
NPO法人キーデザインは、2020年より運営する、子どもの不登校に悩む保護者向けのLINE相談窓口”お母さんのほけんしつ”内で保護者376名を対象に「子どもの不登校が親の仕事や家計にどう影響を与えるのか」をテーマにアンケート調査を実施し、その結果を公表した。
■子どもの不登校をきっかけに7割の親の仕事に影響
子どもの不登校によって、保護者の仕事にどう影響が出るかを聞いたところ、「退職した」と回答した人が14.8%、「休職した」と回答した人が6.0%となり、5人に1人が仕事から離れる決断をしていることが分かった。
家計への影響はもちろん、保護者自身が社会との繋がりを失ってしまっている可能性が高いことが伺える。
また、「特に変化はない」と回答した人は29.6%となり、約7割の保護者の仕事になんらかの影響が出ていることが分かった。
仕事から離れる理由について質問すると、下記のような回答が得られた。(一部抜粋)
・小学生姉弟3人が不登校となり、さすがにそれぞれに付き添いや対応が働きながらは難しく、早退欠勤が増え辞めないと職場に理由を伝える辛さなどでどうにもならなくなってしまった。 収入が減るのは苦しいが、辞めて子供の側にいなくてはとも考えていたこともあり退職を選びました。
・気持ちに寄り添うため、パートをしている場合ではないと思いました。 毎日、送り迎えに時間がみえないから、働くのは無理でした。給食は食べられなくなっていたので、家で食べさせてまた、学校に送ったりもしていました。 私がやるしかないと、思っていました。
親としては仕事を続けたいが、子どもの状況を考えると辞めざるを得ないため、苦渋の決断をしているという内容の回答が多く見られた。
■収入が減った家庭は約4割。そのうち3つに1つの家庭で、月8万円以上の減収
子どもが不登校になってからの家計への影響について聞いたところ、「収入が減った」が37.8%、「収入がゼロ・ほぼゼロになった」が1.9%となった。
次に、「収入が減った」、「収入がゼロ・ほぼゼロになった」と回答した人に、1カ月の収入がどのくらい減ったか聞いたところ、月80,001円以上の減収となったのは35.8%と、家計へのダメージがとても大きいことが明らかに。
■約8割が夫婦間で満足に相談をできていない
子どもの不登校について夫婦間で満足に相談できているかを聞いたところ、「満足に相談できている」と回答した人は22.6%にとどまった。
また、「話はするが、満足のいく相談はできていない」は45.5%、「ほとんど・全く話はできていない」は8.5%、「意見の食い違いが大きいため、最近は相談をしていない」は10.9%となった。
教育についての考え方や子どもとの関わる頻度の違いから、夫婦間で相談し合うことの難しさがあることが分かった。
また、「シングルマザー・ファザーである」は12.5%と決して小さくない結果が得られ、片親で仕事と家庭のことを毎日こなしながら、不登校の子どもを支えることは相当な苦労があることが伺える。
【調査概要】
期間:2024年2月16日~20日までの4日間
対象:子どもの不登校に悩む保護者向け無料LINE相談窓口の利用者約3,500名
回答:上記利用者のうち375名
回答者属性:98.1%が女性、1.9%が男性/40代64.9%、50代28.5%、30代5.9%
内容:親の仕事や家計への影響、夫婦間・学校間との連携について
<参考>NPO法人キーデザイン『「子どもの不登校が親の仕事や家計にどう影響を与えるのか」に関する実態調査』