【寄稿】北陸新幹線でつながるサステナブルふくい|福井県庁

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本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。

今回は福井県庁の取り組みを紹介する。

福井県庁未来戦略課の取り組み

アプローチ視点 2040年のふくいの目指す姿として、SDGsの理念(誰一人取り残さない、多様性と包摂性のある持続可能な社会)に沿いながら、「自信と誇りのふくい」「誰もが主役のふくい」「飛躍するふくい」の3つを掲げ、官民一体となって県政を推進しています。
実施内容 全県一体となってSDGsを推進するための官民連携プラットフォーム「福井県SDGsパートナーシップ会議」を創設し、参画するパートナー一丸となった普及啓発活動やパートナー間の交流・連携を進めています。
推進体制 知事が本部長を務める「福井県長期ビジョン推進本部」を設置し、全庁一体となって長期ビジョンの実行およびSDGsを推進しています。 2023年には、私、北川がSDGsの旗振り役として「SDGsディレクター」(県職員)に任命され、3名の「SDGsコーディネーター」(地域おこし協力隊)を委嘱しました。

取り組み実施に至った背景

SDGsを進めるうえで重要なのは県民の皆さんとの協働で、大きな推進力を生み出すためには、県と県民がビジョンを共有することが必要だと考えています。

福井県のさらなる発展を目指し、県民と長期的な視点で福井の将来像を共有する「福井県長期ビジョン」(2020年策定)では、SDGsの理念(誰一人取り残さない、多様性と包摂性のある持続可能な社会)に沿いながら、「2040年に目指す姿」として次の3つの姿を掲げています。

この長期ビジョンは5,000人以上の県民の皆さんが参加しながらつくり上げたものです。様々な世代・立場の方と共に考え抜いた福井の基本目標は「しあわせ先進モデルふくい」の実現で、まさに「誰一人取り残さない、多様性と包摂性のある持続可能な社会」というSDGsの基本理念と合致しています。福井県が目指す姿を達成するためには、SDGsの考え方が不可欠であると考えています。

実施している取り組み

福井県がSDGs施策を進めるうえで重要視しているものは、現場の声を拾い上げるコミュニケーションと、自治体と県民・民間との間のパートナーシップの構築です。

そこで、福井県では、2020年8月に全県一体となってSDGsを推進するための官民連携プラットフォーム「福井県SDGsパートナーシップ会議」を創設しました。SDGsの達成に寄与する活動を行う企業や金融機関、各種団体、教育・研究機関など、さまざまな主体が「ふくいSDGsパートナー」としてプラットフォームに参画し、パートナーのネットワークはどんどん広がり続けています(2023年12月末現在:1,064機関)。県としての役割は、民間の様々な主体が自発的にSDGsの課題に取り組み、その輪を広げていくためのサポートだと思っています。

2021年5月、福井県は「次世代に選ばれる『しあわせ先進モデルふくい』の実現」をテーマにした提案が認められ、内閣府の「SDGs未来都市」に選定されました。「幸福度日本一」のくらしを未来へ引き継ぐため、次世代を育成することによって経済・社会・環境の好循環を生み出し、持続可能な地域となることを目指しています。

次世代育成の取組みの一つである「未来人材育成プロジェクト」では、「ふくいSDGsパートナー」の企業や団体の若手社員(職員)が協力し、それぞれがもつ技術やノウハウ、ネットワークを活かし、子どもたちを対象にした新たな学習・体験プログラムづくりに挑戦しています。2023年度は、環境面の課題である「地球温暖化対策」をテーマに、15機関のパートナーが協力し、子どもたちが楽しみながら学ぶゲームプログラムを企画しました。インターネットや福祉施設で販売するとともに、学校で出前授業等を行っていきます。

また、本県のSDGs活動コンセプトを広くわかりやすく伝えるため、県民の467件もの応募の中からロゴマークを決定しました。

福井県のブランドである「恐竜」とFukuiの「F」の文字をモチーフに、SDGsの17色を用いたカラフルな恐竜の表情には「未来のために何ができるか、みんなで考えよう」というメッセージが込められています。

愛称も募集し、SDGsのゴールの数である「17(じゅうなな)」とロゴマークのモチーフである恐竜が繁栄した「ジュラ紀」を掛けて「ジュナナ」と名付けられました。ロゴマークは、県だけではなく、県内企業のHP・名刺等への掲載や、マスコミでの取り上げ、ピンバッチ等が商品化されるなど、認知度アップに貢献しています。

さらに、SDGsに関する普及啓発月間の設定やフォーラム・交流会の開催、新聞・テレビ・ラジオ・SNS・HP等メディアでの情報発信を通じて、県民の皆さんに対してもSDGsへの理解促進や取組みの周知を図っています。

サステナビリティ推進体制

福井県のSDGs推進の特徴は、「福井県長期ビジョン」との連動性にあり、SDGsの理念を反映して将来像を描いた長期ビジョンの実現そのものが、持続可能な地域社会の実現につながっています。

本県では、知事が本部長、副知事が副本部長をそれぞれ務め、各部局長等が構成員の「福井県長期ビジョン推進本部」を設置し、全庁一体となって長期ビジョンの実行およびSDGsの推進に取り組んでいます。

2023年には、福井県のSDGsの旗振り役として私、北川が「SDGsディレクター」(県職員)に任命されるとともに、地域おこし協力隊3名を「福井県SDGsコーディネーター」として委嘱しました。私たちがチームとなって「ふくいSDGsパートナー」を訪問し、パートナーが持つ連携のニーズやシーズを把握し、組織やセクターを超えたつながりにより、新たな地域活性化の取り組みを生み出していきます。

今後の目標や展望

次世代を担っていく子どもたちには、SDGsを「身近な自分事」として考えていただきたいです。そのため、「福井駅前周辺のSDGs」について学習できるスポットを集めたリーフレットを作成し、総合学習や校外学習で活用していただきたいと思っています。また、学生対象のSDGs講演会やショッピングセンターにおけるSDGsフェスなども開催し、学生とSDGsパートナーの企業・団体が交流できる機会を作っていきます。

今後も、私が旗振り役となってSDGsパートナー同士の交流拡大やマッチングの強化等を行い、SDGsの輪を広げることで、「福井の明るい未来」をみんなでつくっていきたいと思います。

さらに、2024年3月16日に北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸され、いよいよ「福井県内開業」というビッグイベントを迎えます。県勢を大きく飛躍させる100年に一度のチャンスとして、福井県全体で盛り上げながら地域活性化に取り組み、本県の魅力を全国の皆さんにも発信していきたいと思います。皆さまのご来県、心よりお待ちしております!

北川愛子
福井県庁未来創造部SDGsディレクター
2008年 福井県庁入庁
生活衛生、土木経理、公共交通の業務を経て、2021年より現部署にて勤務
2023年よりSDGsで県民×企業×行政の協働を作り出す旗振り役として活動中
▼お問い合わせ先
●福井県 未来創造部 未来戦略課
●メールアドレス:fukui-sdgs@pref.fukui.lg.jp
●URL:SDGs(持続可能な開発目標)への取組み | 福井県ホームページ (fukui.lg.jp)

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