スカイブリッジは、椿本興業、ゼンリンデータコム、三井E&Sと協業し、開園170年(1853年)の遊園地「浅草花やしき」の遊園地設備で、ドローン自動飛行点検を実施したことを発表した。
浅草花やしきでは、2022年に営業を終了した高さ約60m「スペースショット」の点検に課題があったという。
営業を終了しても浅草花やしき内で最も高い構造物であり、観光地である浅草エリアで存在感がある「浅草花やしきのシンボル」として重要な意味をもつ設備のため、継続的な保守・保全は必要不可欠となっていたとのことから、今回、ドローン自動飛行点検に至ったとのことだ。
■ドローン点検⽅法
ドローン自動飛行点検では、スカイブリッジが得意とする3次元測量技術で取得した高精度3次元点群データから、ドローン自動飛行ルートと撮影ポイントを設定。港湾クレーン点検ノウハウを応用した技術で再現性の高いドローン自動飛行点検を可能としたという。
1.【ドローン手動点検】
高さ60mのスペースショットは、まずパイロットによる手動飛行点検を実施。パイロットの撮影映像をリアルタイムで、浅草花やしき安全管理担当者が確認。ドローンが担当者の⽬となり、点検すべきポイントを特定したという。
2.【3次元測量】
同時に、スペースショットの3次元測量業務も並行して実施し、解析作業を経て高精度の3次元点群データを作成。
3次元点群データとは、3次元測量により得られ、1つ1つの点がx、y、z座標を保有するデータ。図面なき構造物や度重なる修繕工事などから保有する図面と明らかに異なる際に、現状を高精度でスキャン可能で、汎用性が高いデータとなっている。
3.【ドローン自動飛行点検】
スペースショットの3次元点群データをベースに、ドローン自動飛行ルートを生成。撮影ポイントも明確にし、ドローンを自動飛行させ、写真および動画で点検データを取得。
ソフトウェアは、ゼンリンデータコム、三井E&S共同開発の「ドローンスナップ」を活用。三井E&Sのガントリークレーン点検ノウハウをベースに開発されたアプリケーションを、スカイブリッジが得意とする遊園地業界においても活用。
同社は、今回実施された浅草花やしきでの「測量技術を応用した設備の3次元データ」を活用した、「ドローン自動飛行点検ソリューション」の構築は、熟練のパイロットを不要とし各遊園地のドローン点検導入ハードルを大きく下げることができると予想している。
今後も、遊園地施設が抱く「ドローン点検導入時の不安」と、「導入時の負荷」を軽減し、顧客と伴走するパートナーとなることを目指すとのことだ。