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- 本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。
今回は株式会社SIGNINGの取り組みを紹介する。
SIGNINGの取り組み
アプローチ視点 | 広告コミュニケーションにとどまらず、事業・商品・サービス開発領域まで融合した「Social Business Studio」をコンセプトに掲げ、ビジネス課題と社会課題を同時解決する統合的なソリューションを提供しています。 これまでマーケティング領域の課題解決のみでなく、「防災」「ダイバーシティ」「未利用魚」「地方創生」「スマートシティ」など、さまざまなテーマでアクションをおこなってきています。 |
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実施内容 | 社会課題を解決しソーシャルグッドを推進する「Social Design」と、事業の新たな成長機会を発見し新市場を創造する「New Market Design」の2つの領域に特化しています。 |
推進体制 | 社会課題をテーマに、クライアントのマーケティングやブランディング、事業戦略開発等をサポートしながら、自社でも共同研究やレポート配信を実施しています。具体的には、未利用魚を活用する「ZACO project」、脱炭素のアクションを促す「Earth hacks」という取り組み等を行っています。 |
取り組み実施に至った背景
SIGNINGは、博報堂DYホールディングスに所属していたディレクターやプロデューサーが集まり、先の見えなかったコロナ禍に立ち上がりました。
もともと「プレミアムフライデー」といった社会全体にアプローチする、広告コミュニケーションの領域を超えた活動を推進していたメンバーが中核となっており、得意とするプランニングとクリエイティブで、社会課題およびクライアントのビジネス課題の解決、その両方を叶え、よりよい社会の実現のために日々活動しています。
発足した2020年当初、コロナ禍に突入しクライアントも私達もどこを向いて進めばいいのかわからない手探り状態でしたが、発足の翌月に「コロナによってうまれた意識変化」をテーマに調査レポートを発表しました。恐れや悲観的な空気になっていた社会の中でも、ポジティブな変化が起こっている兆しに着目し発表したところ、多くの反響をいただきました。
社会のさまざまな「兆し」をとらえ、よりよい社会への「道標」をつくることをテーマに、日々さまざまな研究開発やプロジェクトを進めています。
実施している取り組み
当社は、博報堂と三井物産が、生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」の事業を加速させるべく、共同で設立したEarth hacks株式会社のプロジェクトに事業構想を行っていた段階から参加しています。
Earth hacksは、生活者とともに脱炭素社会を推進することを目的にした企業で、気候変動対策のための「脱炭素アクション」を全ての人にとって価値あるものにしていくことを目指しています。
これまで『脱炭素』というテーマは、科学者や政府、金融機関、投資家、大企業のものでした。しかし、日本の脱炭素目標を達成するためには、家庭からの排出量を大幅に減らしていく必要があるように、また、企業が脱炭素化を進めるためにも、生活者の合意形成と行動の促進は避けて通ることができません。
Earth hacksの「生活者主導で脱炭素社会を実現する」という目標に対して、SIGNINGでは、そのコンセプトの立案、クリエイティブの企画制作、事業の柱となる新サービス「デカボスコア」の構想、各種イベントやコミュニケーションの活動の企画制作を担ってきました。

生活者を動かしていくための起案の中心になっているのは、SIGNINGが掲げるプランニングウェイである、「サークルプランニング」です。これは、消費者(ターゲット)と企業(ブランド)だけを直線的に繋いでマーケティングを構想するのではなく、生活者や企業、従業員、株主、関係会社、地域住民、政府・自治体、社会、地球環境といった多くのステークホルダーを円状に設定し、全ての人が賛同でき、全ての人が参加でき、全ての人が行動できるマーケティングプランを立案するというSIGNING独自の企画手法です。
「サークルプランニング」を用いて脱炭素を考えた結果、企業がIRやESGのために脱炭素化を推進する、という構造ではなく、生活者が脱炭素な商品やサービスを自然と選び“たくなる“環境を作り、生活者が選ぶから企業が対応する、企業が対応するから生活者が選ぶ、結果として、脱炭素化された商品やサービスが支持を集め、社会全体に大きな影響を与えていく、という構造が必要であることがわかりました。
その発想が、Earth hacksの基幹サービスである「デカボスコア」の開発につながっていきました。
サステナビリティ推進体制
Earth hacksでは、プロデューサーとクリエイターがワンテーブルで常に議論をしています。事業の構想について、目標に向けた進捗について、開拓先をどうするか、次の生活者に向けたアクションをどう設計していくか、経営、開発、セールス、マーケティングに至るまで全ての議題に対し、ビジネスを推進する役割であるプロデューサーとアイデアを出し、形にする役割を担うクリエイターが共に考えることで、実現の可能性が高く、社会に対して実効性のあるアクションをスピード感持って実現できていると考えています。
今後の目標や展望
「デカボスコア」は現在100を超えるブランドが活用を開始していますが、2030年までに1万アイテムへ拡大していくことが目標です。
このEarth hacksは、「社会課題解決とビジネスの課題解決」という両輪が強固にリンクした極めてSIGNINGらしいアウトプットの代表例であると言えると思います。SIGNINGは、ただやってくる課題を次々解決する待ちのクリエイティブブティックではなく、自ら課題を見出し、解決方法を構想し実行できる、プロアクティブなブティックでありたいと思っています。一方で、社会課題を解決するには多面的なアプローチが常に必要であり、全てのプロジェクトにおいて、外部のパートナーと共にアクションをおこなっています。一緒にこんな社会課題をビジネスの力で解決しよう!という全国からのお問い合わせもお待ちしております。
- 清水佑介
- 株式会社SIGNING Executive Officer/Creative Director/Strategist
2003年博報堂入社。営業、ストラテジックプランナーを経て、2012年より博報堂ケトル。
2021年からサイニングに所属。SIGNINGのサーキュラー・エコノミープロジェクトのプロ - ▼お問い合わせ先
- ●株式会社SIGNING
- ●メールアドレス:press@signing.co.jp
- ●URL:https://signing.co.jp/
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