積水化学工業 住宅カンパニーは、エネルギー自給自足型の暮らしを目指す「セキスイハイム」の最新スマート&レジリエンス技術により創エネ性能が向上し、実生活におけるCO2排出量が実質マイナス0.8トン/年となることを実証したと発表した。
これにより同社は、家を建て、生活を続けるほどに環境貢献できる可能性を示したとしている。
同社は、環境省の「令和3年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」(令和4年度より「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に名称変更)で、共同実施者であるニチコン、一般財団法人電力中央研究所、東京大学生産技術研究所と、「エネルギー自給自足型ユニットの技術開発・実証」への取り組みを実施。
2021年6月より、技術開発とその技術を実装したオーナーの電力データをモニタリングした結果、居住中に消費するエネルギーを上回るエネルギーを太陽光発電システム(以下、PV)などにより創出することを実証したという。
■具体的な評価・実証内容と得られた成果(概要)
エネルギー自給自足型住宅の実際の生活環境におけるエネルギー収支およびCO2排出量を確認するため、大容量PV、大容量蓄電池「e-PocketGREEN」、HEMS「スマートハイムナビ」などを実装したセキスイハイムオーナー、累計478邸で電力量データをモニタリングし評価・実証を実施。
1.大容量のPV・蓄電池でのエネルギー自給自足型生活により、CO2排出量削減効果が拡大
平均9.2kWの大容量PVと大容量蓄電池、さらにV2Hを一台のパワコンで接続する新トライブリッド蓄電システムを開発。これは、電力変換ロスの少ないシステムにより接続可能なPV容量を拡大するもの。
PVによりたっぷり発電したエネルギーを自家消費することで自邸でのCO2排出量が抑制され、さらに余剰電力を売電することで地域社会のCO2排出量削減効果も拡大。
2.省エネ行動を促すスマートハイムアプリで、居住者の省エネ生活をアシスト
居住者の行動変容によるさらなるエネルギー消費量低減を図るため、省エネ生活をサポートするスマートハイムアプリ(スマートフォン向けアプリケーション)を試作開発。アプリ利用による設備の効果的な使い方と各自の省エネ行動により、オーナーの実生活におけるエネルギー消費量が低減し、CO2排出量削減効果が発現することを実証。
同実証の結果、創エネをCO2排出量の削減とみなすと、CO2排出量は1邸あたり平均で実質マイナス0.8t-CO2/年(杉の木約57本のCO2吸収効果に相当)となったという。
同社は今後、同事業で得られた優れた環境貢献技術の早期普及拡大を推進し、脱炭素社会の実現に貢献するとともに、利用者の豊かな暮らしの実現を目指していくとのことだ。