ダイヤモンド・コンサルティングオフィスは、2023年4月に入社した会社員280名を対象に、23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査を実施し、結果を公表した。

23卒新入社員の9割以上が「パワハラ」「セクハラ」を認知していると回答

2022年4月より、すべての事業主を対象にパワハラ防止措置が義務化となったが、23卒新入社員が「ハラスメント」についてどう捉えているのかを調査。

まず、「ハラスメント」という言葉を聞いた経験(n=280)について質問したところ、「ある」が91.2%と高い割合に。内容までよく理解しているハラスメントの項目として、「セクハラ」「パワハラ」が9割以上を占める結果となっている。

また、「ハラスメント」という言葉を聞いたことがある人の約7割が「職場でのハラスメント防止策が、法律上、企業に実施する義務があること」も知っており、ハラスメントに関して、多くの人への認知が進んでいる実態が明らかとなった。

パワハラに当てはまるものはどれ?1位「ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた」

そこで、認知が高かった「パワハラ」と「セクハラ」について、具体的なシチュエーションを提示し、ハラスメントと感じるかどうかを調査。

職場で「パワハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)として、「ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた」が65.0%、「仕事ができないことを理由に、今月末で自主退職をしろと指示された」が61.1%と2トップに。

実際にハラスメントに該当するのか、ハラスメント対策専門家としての同社の見解では、前者は繰り返せばパワハラに該当するものの、後者においては、これだけの内容では直ちにパワハラに該当するとは言えないという。

以降の項目はどれもパワハラには当てはまらず、正しいパワハラの理解がされているとは言えない結果となったとしている。

セクハラに当てはまるものはどれ?第1位「体をじろじろと見られた」、第2位「上司から2人きりで食事に誘われた」

一方、「セクハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)については、「体をじろじろと見られた」が58.2%、「上司から2人きりで食事に誘われた」が39.3%という結果に。

しかし同社は、どちらもこれだけでは「セクハラ」には該当しないとしている。結果として、9割以上が理解していると回答した2つのハラスメントに対しても、誤った理解をしていることが判明。

また、仮に自分がハラスメント被害に遭った場合のとるべき対応について(n=280)も5割超が、「あまり知らない」と回答していたとのことだ。

約半数が勤務先で「ハラスメント」に関する研修を受けた経験/予定がないと回答

これらを裏付けるように、勤務先での「ハラスメント」に関する研修について(n=280)は、約5割の人が「ない」と回答。

ハラスメントに対し、”理解しているつもり”の人が9割を超えている一方で、正しくハラスメントのシチュエーションを回答できた人は「パワハラ」で65.0%、「セクハラ」で37.1%に留まっていることから、ハラスメント研修が十分でない状態のままでは、上司は業務上正しい指導がしにくく、会社全体の成長にも影響すると同社は懸念している。

【調査概要】
調査概要:23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年5月25日〜同年6月9日
有効回答:2023年4月に入社した会社員280名(男性130名:女性150名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

<参考>
ダイヤモンド・コンサルティングオフィス『23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査』