日産自動車は9日、緊急回避性能の飛躍的な向上につながる次世代LiDAR(ライダー)を活用した運転支援技術を搭載した試作車が、交差点で緊急回避操作を自動的に行うデモンストレーションを公開したと発表した。

日産は、ユーザーが安心して自動運転技術を使えるためには、事故を回避する能力の飛躍的な向上が必要であると考え、世の中で起こる複雑な事故を回避する技術の開発に注力しているという。

交差点での出会い頭の事故は、信号や標識の見落としなどのドライバーの不注意により発生し、重大な被害につながるという。今回日産は、こうした事故が起こる恐れがあるときに、高度なセンシングと判断能力で衝突を自動的に回避する技術を開発。同技術がドライバーを支援することにより、事故低減に大きく貢献するとのことだ。

信号や標識を見落とした車両が目の前に現れたときには、相手の位置や速度の変化を高い精度で計測し、必要なブレーキ操作を瞬時に判断して、衝突を回避。

なお、急ブレーキを作動させた後も、危険を回避し次第ブレーキを解除するなど、状況の変化に直ちに対応するとしている。

日産が開発している高性能な次世代LiDARを用いたグラウンド・トゥルース・パーセプション技術は、極めて判断が難しい複雑な状況において、周囲の情報を正確に捉え、瞬時に判断し、危険を回避することを可能とするという。

日産の研究・先行開発を担当する専務執行役員の浅見 孝雄氏は、以下の通り述べている。

日産は、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」において、高性能な次世代LiDARを活用した衝突回避技術の開発に取り組むことを表明しています。この技術の開発は、2020年代半ばまでの完了に向けて順調に推移しています。日産は、お客さまに安心して使っていただける自動運転技術の実現に向け、リアルワールドで発生する複雑な事故の分析を進め、事故を防ぐ能力を飛躍的に向上させる技術の開発を推進しています。