宇都宮大学と理化学研究所、京都大学、岡山大学、科学技術振興機構(JST)は、動物の血液分解時に産生されるビリルビンが、植物でも作られていることを明らかにしたと発表した。
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茶色の枠が動物でわかっている部分で、緑色の枠が植物でわかっている部分を示す。緑の塗り潰しは今回の研究で明らかになった部分を示す
発表のポイントは以下の通り。
●赤血球の分解時に産生され、黄疸の原因物質として知られるビリルビンが、幅広い植物種で作られることを発見。
●UnaGと呼ばれるビリルビンに結合した際に蛍光を発するタンパク質を用いて、生きた植物細胞でビリルビン量の変化を初めて観察することに成功。
●植物のビリルビンは、光合成の際に発生し、光合成効率を低下させる原因となる酸化ストレスを低減する働きがあることが判明。
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UnaGの蛍光(左)が、葉緑体が元々出す自家蛍光(中央)と一致しており(右)、葉緑体内にビリルビンが蓄積していることがわかる
なお、同研究成果は2023年6月の学術誌「Science Advances」に掲載されたとのことだ。
<参考>
宇都宮大学と理化学研究所、京都大学、岡山大学、科学技術振興機構(JST)
『血液の分解産物ビリルビンが植物で作られることを発見~植物の効率的な光合成に寄与している可能性~』