富山高等専門学校(富山高専)にて、ビズリーチと国立高等専門学校機構(高専機構)が進める「AI副業先生」プロジェクトが6月1日、新たな進展を見せた。同プロジェクトは、AIや数理データサイエンスを扱う拠点校である富山高専において公募し、民間からのデジタル人材3人が新たに着任した。

これは、ビズリーチと高専機構が2022年2月に社会の発展を牽引する人材育成を目指して連携協定を締結し、その一環として進めている取り組みだ。今回の公募は、富山高専で2022年12月6日から2023年1月2日までに実施され、高知工業高等専門学校、一関工業高等専門学校に次ぐ第3の事例となった。

AI副業先生の主な任務は、授業の座学や演習の設計に加え、実際の授業で教員として登壇することだ。教育に携わる彼らは、ビジネス現場でのAI技術活用経験を生かし、社会の変化やニーズに対応した「実践的なAI技術」を学生に教える役割を担っている。このような授業は、他の教育機関の科目を受講可能な「単位互換制度」を通じて、全国51の高専で展開する計画がある。

今回富山高専に着任したのは、20代が2名と50代が1名。そのうちの1人は自動車メーカーに所属し、富山高専にてAIの活用演習や製造業への応用に関する科目を担当する。「学生の頃は教員を目指しており、教育への情熱はいまだ失われていない。現職の教員の仲間と話していると、やはりビジネス界と教育業界ではAIやWeb3のような最新事例をインプットするスピードにかなり隔たりがあると感じることが多い。このギャップを少しでも埋めるべく、私の知見が少しでも役に立つことを切に願っている」とプレスリリースで語った。