JR東日本は、レーダ雨量を活用した新たな運転規制(以下、レーダ雨量規制)を在来線全線区に導入することを発表した。

JR東日本はこれまで、降雨による災害から列車の安全を守るため、沿線斜面などの防災対策と降雨時の列車抑止や徐行運転などの運転規制を実施。

今回、狭い範囲に短時間で強い雨が降る局地的大雨に対しても詳細に雨を把握し運転規制を行うことで、さらなる列車の安全性を向上させることを目的に、従来の運転規制に追加してレーダ雨量規制の導入に至ったとしている。

なお、レーダ雨量規制の使用開始時期は、2023年6月18日を予定しているとのことだ。

1.レーダ雨量規制の概要

従来の運転規制では、駅などにJR東日本が設置した雨量計で雨量値を観測し、雨量値が規制基準値を超過した場合に、雨量計の受け持つ区間に対して運転規制を発令していたという。

レーダ雨量規制では、気象庁や国土交通省が配信する1kmメッシュの面的雨量を活用。レーダ雨量を活用することで雨量計が設置されていない箇所の降雨を把握することが可能になるとしている。

線路沿線上の1kmメッシュのレーダ雨量が規制基準値を超過した場合に、そのメッシュが含まれる区間に対して運転規制が発令されるとのことだ。

レーダ雨量規制の概要

2.運転規制にかかわるシステムの概要

従来の運転規制では、雨量計で観測した雨量値が規制基準値を超過すると運転規制が発令され、運転規制にかかわるシステムからその情報が列車に伝達されていたという。

今回、レーダ雨量規制の追加導入にあたり、オペレーションを適切に行うために既存の運転規制にかかわるシステムを改修。従来の運転規制情報とレーダ雨量規制情報をシステムで統合して列車に伝えることで、速やかに運転規制が実施できるようにするとのことだ。

運転規制にかかわるシステムのイメージ