ノーコード推進協会(以下NCPA)は5月31日、「ノーコード宣言シティー」プログラムの開始について記者会見を行った。全国の10自治体が、ノーコード宣言シティー宣言書を手にした。※ノーコードとは、ソースコードの記述を一切せずにアプリケーションやWeb サービスの開発が可能なサービスのこと

「ノーコード宣言シティー」プログラムの概要

「ノーコード宣言シティー」参画自治体への各種施策は以下のとおり。

・職員向けノーコードツール活用勉強会の開催
・ノーコード導入時の導入伴走サービスの特別提供
・自治体内で開催される各種デジタル関連イベントのサポート
・宣言自治体によって構成されるコミュニティのサポート
・宣言自治体の企業版ふるさと納税をNCPA会員企業に推薦
・NCPA会員企業らによるワーケーション開催地として宣言自治体を推薦

ノーコード宣言シティー自治体は10市町

同プログラムはすでに多数の自治体の首長(市長、町長、DX担当者など)から賛同を得ており、それぞれがプログラムの宣言を表明した。

・愛媛県西予市
ノーコードを通じたデジタル人材の育成や発掘、デジタルの推進を図っていく。新たな価値を創造し、成果の質を向上させ、職員自ら業務改革、改善を行うことで市民サービスの向上を図っていく。

・鹿児島県奄美市
ノーコード技術を積極的に活用し、 働き方改革、業務改善にチャレンジし続け、生み出した時間的、労力的、 経済的な力を市民に還元していく。地域社会においてもデジタル人材の競争力強化により、稼ぐ力の向上を推進し、誰ひとり取り残さないデジタル社会の実現に向けて取り組む。

・鹿児島県指宿市
市民生活の質の向上、行政の業務変革、戦略的なシティプロモーションという3つの柱を力強く推進するためには、自分たちのアイデアを自由自在に形にすることができるノーコードの活用はとても効果的。地域の垣根を越え、産官学民の連携を強化したい。

・熊本県小国町
限られた人材、財源の中、住民の生活を支え、地域を維持していくにはDX推進が欠かせず、DXを内発的に進めるために欠かせない手法がノーコードである。今後さらに、ノーコードを活用した業務体制の改善や住民サービスの向上を目指す。

・静岡県伊豆市
宣言にあたり、 市役所職員の変革だけでなく、市民自身の変革も加速させていきたい。DXの変革は一度実施したら終わりではなく、変化し続ける力が肝である。そのひとつとして、ノーコードの活用は欠かせない。

・静岡県焼津市
ノーコードの活用をさらに進め、より一層高い市民サービスの提供、自治体運営の効率化、 地域の活性化の取り組みを加速させ、DX推進計画で目指すビジョンを実現する。

・福岡県飯塚市
ノーコードツールによるアプリ開発は、日常的な業務改革のみならず、 デザイン思考や論理的思考といった業務改革に必要な考え方を身につけるためのツールとしても有効に働くものと期待する。

・福岡県直方市
システムはパッケージを外注するものという考えを改め、職員自らが課題を考え、その課題を解決するためのシステムを自らの力で設計するというマインドを 醸成させていきたい。

・北海道旭川市
職員がアプリを開発できるということは、特別なスキルがなくても、ひとりひとりが主役になれる。小さな成功体験を重ねて自信をつけられる、柔軟でスピーディーなバージョンアップができる、 そして市民の利便性向上と業務効率化の両立を図ることができると考える。

・北海道釧路市
「スマートフォンの中に市役所がある」を基本理念とした方針を策定し、業務の効率化と市民サービスの向上を図っている。ノーコードを活用して、 職員のチャレンジするための意欲を引き出し、試行錯誤し続けることが有効だと認識している。

5月31日現在、122の自治体や企業団体が参画

NCPAは、2022年9月1日にアステリア、サイボウズ、船井総研デジタル、INDUSTRIAL-X、シムトップス、セゾン情報システムズ、ウイングアーク1stという7つの企業が、ソフトウェア文化の変革を達成するためのノーコード手法を推進する目的で創設された。この組織は設立以降、積極的にセミナーを開催し、出版、地方創生、広報の3つの部会をワーキンググループとして運営し、会員企業間の知識や技術を共有する活動を展開してきた。

同協会には、2023年5月31日現在で122の自治体や企業団体が参画している。会員数が増加している理由のひとつとして、IT業界だけでなく、ビジネスのデジタル化を推進しようとする多様な業界からの注目が高まっていることが挙げられる。地域自治体や教育施設からの参加が増え、業界団体やNPOも加わってきたことで、ノーコードを用いたソフトウェア文化の変革への活動が一層強化される見込みだ。

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