国立大学法人岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)の外山直樹助教、江國大輔准教授、森田学教授(当時)およびノートルダム清心女子大学食品栄養学科の長濱統彦教授、小見山百絵准教授、山下美保准教授らの研究グループは、睡眠中に歯ぎしりをする大学生は食物繊維の摂取量が少ない傾向にあることを明らかにしたことを発表した。

なお同プレスリリースは、2023年5月に開催された「岡山大学2023年5月定例記者会見」において、ノートルダム清心女子大学との共同プレスリリースとして公開されたとのことだ。

岡山大学、睡眠中の「歯ぎしり」と「食物繊維」摂取量が関連している可能性を発見

睡眠中の歯ぎしりは口の健康に重大な悪影響を及ぼすことがあり、その対処はマウスピースによる歯の保護などが主流になっている。

しかし、歯ぎしり自体を減らす根本的な治療法は見つかっていないことから、同研究結果は、睡眠中の歯ぎしりの新たな対処法の提案になるだけでなく、食物繊維摂取量改善にも寄与する可能性があるとしている。

睡眠中に歯ぎしりをする大学生・歯ぎしりをしない大学生の食物繊維の摂取量比較

なお、同研究は2023年3月にスイスの学術誌「Journal of Clinical Medicine」のオンライン版に掲載。

同研究グループは、今後は食物繊維を摂取することで本当に睡眠中の歯ぎしりが減るのか検証していく必要があるとしている。

<発表のポイント>

●睡眠中の歯ぎしりは「歯が欠ける」「歯周病が悪化しやすくなる」「顎の関節が痛くなる」などの悪影響を及ぼすことがある。
●睡眠中に歯ぎしりをする大学生は、歯ぎしりをしない大学生と比較して、食物繊維の摂取量が少ないことを明らかに。
●今後の研究によって、食物繊維の摂取で、睡眠中の歯ぎしりを減少できることが期待される。