コンサルティング事業を展開するIINTLOOPは、300名以上のコンサルタントに対してChatGPTの利用状況に関するアンケート調査を実施し、結果を公表した。

■ChatGPTを業務に利用している人は約4割

「現在のクライアントワークにChatGPTを利用しているか」と質問したところ、約4割のコンサルタントがChatGPTを業務に活用していることが分かった。うち13.6%は「頻繁に利用している」と回答。

ChatGPTを利用した約9割が業務効率化に繋がっていると感じており、一度利用した人は継続的に利用するのではないかと考えられるとしている。

(左)現在のクライアントワークにChatGPTを利用しているか(右)ChatGPTを利用したことで業務効率化に繋がっていると感じるか

■ChatGPTの利用目的は「情報収集」が90.2%、次いで「資料作成」が57.4%

利用した人を対象に「どのような業務に利用しているか」を尋ねると、「情報収集」が90.2%、「資料作成」が57.4%となった。

また、24.6%が「クライアントの戦略立案」にも活用していると回答しており、企画のための情報収集から発展させた活用に至っているケースも増えてきていることが伺える。

どのような業務に利用しているか

■「ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる」と大きな不安を抱える人は4%

「ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる不安があるか」という質問では、不安を感じていると回答した人は22.9%という結果に。

「とても不安を感じている」は4.0%で、クライアントの課題や環境により提案内容が多様になるコンサルティング業務において、ChatGPTが担う部分は少ないと感じている人が多いのではないかと考えられるとのことだ。

ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる不安があるか

■コンサルタント業務におけるChatGPT活用可能性

「ChatGPTによって生まれる新たなコンサルタント業務としてどのようなものがあるか」という質問では、「ChatGPTを活用したクライアントの業務効率化」が78.0%と最多。

次いで、「ChatGPTを活用したコンテンツ企画」が54.8%、「ChatGPTを活用した事業戦略立案」が46.7%となり、積極的な導入が進む定型的業務支援などの効率化における活用に加え、企画などの高度な業務への活用可能性を感じている人も多いことが明らかとなった。

さらに、「ChatGPTの学習のためのデータセット作成」が43%、「ChatGPTを利用する際の倫理・社会的責任に関する課題解決」が41.5%と、多くの企業が関心を持ちながらも課題としている「ChatGPTの正しい使い方」にニーズを見出している人も多いことが分かった。

ChatGPTによって生まれる新たなコンサルタント業務としてどのようなものがあるか(多数回答のみ抜粋)

■ChatGPTの活用アイデ

「あなたが考えるChatGPTの活用アイデアがあれば差し支えない範囲で教えてください」という質問にフリーワードで回答してもらったところ、下記のような回答が挙がったという。

・自身の知見のない領域について大枠で理解したい時などに、いわゆる参謀的に活用する
・アイデア出しの際にマインドマップを作成する、プロジェクトの課題解決、メリットデメリットの比較など
・生産履歴やKPIデータ、人/機械/材料/方法などの関係性などのデータを与えて工場の改善点の洗い出しに利用する。さらに分析資料を作成するまでをChatGPTで行う
・ブレインストーミングをする際のアイデア出し、資料作成の際の構成や記述内容のアイデアを得る
・情報の図式化や簡略化、一覧化など、収集した情報の整理

情報収集などを中心に効率化を図り、よりクライアントに適した提案を作成するための活用が多く挙がる一方で、あくまでも効率化のツールとしての利用に留めるという意見や、ChatGPTをより正確に活用できるプロンプトを与えるプロフェッショナルになることでコンサルタントとして差別化できるなどの意見も多く挙がったとのことだ。

【調査概要】
調査期間:2023年4月11日~21日
調査機関:INTLOOP
調査方法:INTLOOPが運営する「High Performer Consultant」の登録者を対象としたインターネット調査
対象者:日本に住む20~60代の男女
回収サンプル数:323

<参考>
INTLOOP『「ChatGPT」に関するアンケート調査