画像はCrypto.comより

ChatGPTを始めとする生成系AIの名前を見ない日はない昨今。近い将来、そんな生成系AIと、Web3が蜜月の関係となるかもしれない。

生成系AIとWeb3の関係について、シンガポールを拠点とする暗号通貨取引所運営企業である「Crypto.com」がレポートを2023年2月に発表している。

AIが生成したコンテンツが人が生んだコンテンツよりも多くなる

AIが生成したコンテンツをAIGC(AI Generated Contents)と呼ぶ。レポートによれば、AIGCはPGC (Professionally Generated Content)およびUGC (User Generated Content)に続く、コンテンツ生成手法の次の段階とみなされている。

PGCはグラフィックデザイナーやアニメーターといったクリエイティブな専門家によって生成されるコンテンツだ。たとえば広告やロゴ、プロモーション動画などが当てはまる。一方、UGCはエンドユーザーによって作成され、YouTubeやFacebook、Twitterといったソーシャルメディアにアップされる。ブロガーやYouTuber、ティックトッカーなどが生み出すコンテンツだ。また、AAGC(AI支援生成コンテンツ、AIGCとUGCの中間)のカテゴリーも存在する。

画像はCrypto.comより

Crypto.comは、今後AIを介して生成されたコンテンツの量が、PGCやUGCを凌駕するだろうと分析している。中でも注目されているのがChatGPTと、OpenAIの画像生成AI「DALL.E」の2つ。特にChatGPTに関しては現在の注目度は言うまでもないだろう。

Web3で生成系AIの役割は?さまざまな可能性

レポートによれば、さまざまな業界の専門家が、Web3におけるAIGCの潜在的なアプリケーションの分析を開始している。

まず、ChatGPTは幅広い質問に答えることができるため、将来的にGoogleなどの検索エンジンをある程度置き換える可能性がある。現在のWeb2は検索エンジンと検索広告に大きく依存しており、メディアや企業は検索エンジン最適化(SEO)に取り組み、オンライン広告で製品を宣伝する必要がある。

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一方、Web3では、ブランドやメディア、企業はNFTを利用して顧客にリーチし、収益を生み出す。つまり、検索エンジンへの依存性を下げることができる。すでにナイキやスターバックス、ドルチェ&ガッバーナといったブランドはNFTプロジェクトを開始し、Web3 エコノミーに参入している。

ChatGPTは、コードを記述してコード内のバグを見つけることができる。Web3においては、まだ初期段階だが、ChatGPTを利用してスマートコントラクトを作成し、デバッグするユースケースも考えられる。

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もっとも、ChatGPTは誤った提案をすることがあるため、人間による監査に取って代わることはできないと、レポートでは結論づけている。

Web3と生成系AIの関連について非常に興味深いレポートなので、気になった方はぜひレポート本文を。こちらから全文にアクセス可能だ。