バーチャル駅員とのスムーズな会話によるきっぷ購入を実現
近年JR各社では、少子高齢化に伴う労働人口の減少やコロナ禍を背景に、非対面によるきっぷ販売を進めている。こうした背景を受けてJRシステムは、バーチャル駅員との音声対話を通じて、特急券・乗車券販売において従来の有人窓口と同じようにきっぷ購入できる「AI自動応対機能」の開発を推進してきた。2022年2月からJR西日本の京都駅で実証を行いその有効性を確認できたことから、今回大阪駅に新規開業したうめきたエリアにて本格導入に至ったとのこと。
同機能では日立の「多言語対話プラットフォーム」が提供する音声認識、対話などのAIエンジンをベースに、JRシステムがこれまで培ってきたきっぷ販売の接客応対に関する知見を生かし、きっぷ購入の際の窓口係員との会話を券売機で再現している。これにより、バーチャル駅員とのスムーズな会話によるきっぷ購入を実現するという。
システムの特長
1.音声中心の操作
券売機の操作に不慣れな利用者にも、音声会話による操作でスムーズにきっぷが購入可能であり、タッチパネルと音声による操作を併用できる。また会話の内容は券売機上部のモニターに文字で表示されるため、耳やことばが不自由な利用客もサポートする。さらにバーチャル駅員で対応しきれない場合は、それまでの接客内容をコールセンターのオペレータに引き継ぎ、確実な接客応対が可能となる。
2.高度な音声認識
日立の「多言語対話プラットフォーム」内の音声認識を活用し、音声で入力された内容をテキスト化し対話エンジンにつなげることで、事前に登録された想定問答に基づいた回答を提示する。また読み方が共通する駅名・地名などに対しても、画面上で複数の候補を提示する。
音声認識や対話のAIエンジンを鉄道・交通向け用語に対応させて認識精度の向上を図り、実際の駅員とのやり取りを想定してシナリオや言葉の言い替えなども考慮したチューニングを行っている。また利用頻度が高まるにつれて蓄積される対話ログにより、AIエンジンの継続的な精度向上も図れるとのこと。
■日立「多言語対話プラットフォーム」
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