社会人になると給料が入るようになり、今までとは違ったお金の使い方や管理方法を見直すタイミングとなる。キャッシュレス決済などが主流になりつつあるものの、社会人となれば扱う金額も変わるため、さまざまな選択肢の中からクレジットカードを検討する方もいるのではないだろうか。

特典やデザイン、ポイント還元などカード会社ごとで独自に工夫が見られる中、注目を集める次世代のクレジットカードがある。それが、あと払い(BNPL)サービス「ペイディ」を実店舗でも利用できる「リアルカード」だ。そもそもペイディとは、クレジットカードの登録などが必要なく、メールアドレスと携帯電話番号のみで利用を開始できる、あと払いサービスだ。2021年からオンラインでの買い物を中心に利用できるバーチャルカードの「ペイディカード」を展開しているが、2022年にその機能を拡張し、実店舗(Visa加盟店)でも利用が可能な「リアルカード」がリリースされた。

情報やコンテンツがあふれる現代。限られた時間で効率良く物事を取捨選択し、意思決定をしていく必要がある中、そうした傾向は新社会人となるZ世代を中心に「お金の使い方」にも表れ始めている。事実、Paidyの調査によると「お金の使い方において効率性を重視する/したい」と回答したZ世代は9割にも及び、「マネパ(マネーパフォーマンス)」を重視する価値観が浸透してきているのだ。

こうしたZ世代の価値観に対応すべく、「リアルカード」では翌月一括あと払いだけでなく、専用アプリを使うことで分割手数料無料(※1)の3回あと払いが利用可能で、支払い回数の選択肢が幅広くなっている。さらに支払い方法・タイミングも自由自在で、全てのUXは100%デジタル上で完結。紛失した際は、アプリ上ですぐさま使用停止にできるなど、セキュリティー面でも安心だという。

今回、同社のCSO & CMOのコバリ・クレチマーリ・シルビア氏に、従来のクレジットカードとの違いや利用シーンを伺いながら、「リアルカード」がもたらす新しいお金の使い方を探っていく。

(※1)口座振替・銀行振込のみ無料。

「メリハリ消費」が当たり前。いまどき新社会人のお金に対する価値観

現代の若い世代は、財布のひもが固いというイメージを持つ方もいるかもしれない。しかし、シルビア氏によればあくまでも「メリハリ」を意識しているだけで、賢い消費行動が見て取れるという。

「これからの新社会人、いわゆるZ世代について私たちが行った調査によると、自分が大切にしていることにはお金をかけ、それ以外の出費はできるだけ抑える『メリハリ消費』を意識する傾向にあることが分かりました。ここ数年、サブスクリプション型のサービスや、シェアリングエコノミーがトレンド化していますが、こうした流行は、所有ではなく利用に重きを置いています。でも、本当に大切なモノは買って所有しており、こうしたサービスの使い分けもZ世代の価値観の象徴ともいえます」

株式会社Paidy CSO & CMO コバリ・クレチマーリ・シルビア氏

サブスクリプション型サービスの普及などで、最初に一括で支払うのではなく、分割で支払うことで出費をコントロールする価値観も浸透してきているようだ。

「“分割払い”と聞くと借金のイメージなど、これまではネガティブに捉えられることがありました。ただ、サブスクリプション型のサービスの普及で、毎月一定額を分けて支払うことも、賢くお金を使う一つの選択肢と捉えられています。事実、Paidyが行った調査でも対象者の8割以上が『手数料がかからないのであれば、高価なものは分割をうまく使うのも一つの方法』と回答しています。身近なモノでいうと、スマートフォンも今では分割で買うのが当たり前になっていますよね」

Paidyが調査したZ世代のお金の使い方に関する意識(2022年 全国の男女20~30歳を対象にしたインターネット調査)

分割払いを行う主な手段は、クレジットカードだ。しかし、既存のクレジットカードでは手数料が発生することが多い。加えて、セキュリティーや管理においては、いまだアナログな一面もあり、不便・不安を感じる声があるようだ。

「基本的にクレジットカードは便利なものとして使われています。しかし、Paidyが2022年6月に実施した調査では、便利と思う一方で中には不便や不満があると答えた人もいます。主に『紛失や詐欺に遭わないか不安』『使った金額がすぐに反映されないため、どのくらい使ったか管理しづらい』といった回答がありました。この結果からも、クレジットカードには、多くの人が実は気が付いていない隠れた不便や不満があることが分かります。

例えば、通常クレジットカードでは利用した金額が即時に反映されないため、翌月になってまとまった請求額が確定します。そのため、利用金額の管理しづらさがあるのも事実です。リボ払いなどを含め、各カード会社はさまざまな選択肢を提示しつつも、結局、使った金額を翌月にまとめて決済する方法が主流。使い方の選択肢は限られてしまっているのです」

リアルカードが実現する、スマートで自由自在な買い物体験

既存のクレジットカードの不便や不安に着目し、新しい価値観や時代に合わせて、より自由自在な買い物を実現させるために誕生したのが、ペイディの「リアルカード」だ。

改めてとなるが、Paidyが2021年4月に提供を開始したのが、バーチャルカードの「ペイディカード」だ。これは、オンラインショッピングの支払い方法としてクレジットカードのようにペイディのサービスを利用できる機能。ペイディアプリ上で本人確認(※2)を行うことで利用できる。

(※2)本人確認をすることで、分割手数料無料(口座振替・銀行振込のみ無料)の3・6回あと払い、Visaマークのお店で買い物が楽しめるペイディカード、予算設定機能など、便利な機能を使えるサービス。

そして、その機能をオンラインだけでなく、オフラインに拡張したのが「リアルカード」だ。

「ペイディカードを実店舗でも使いたいというニーズが強くありました。例えば、新生活で必要な家具・家電、他にも洋服などは、実際に目で見て確かめたいという方が多いと思います。オンラインショッピングに限定するのではなく、リアルカードを提供することでペイディを使うシーンとユーザーの選択肢を増やし、買い物体験の向上にも貢献したいと考えました」

シルビア氏は「リアルカード」の特徴について、次のように説明する。

「リアルカード」の受け取りまでをスマートに

シルビア氏によると「申し込みが簡単である」というのが、一つ目の大きな特徴だ。

通常のクレジットカードの場合、必要書類が複数ある、電話での審査が必要など、発行までの複雑な手続きが必要になる。しかし、リアルカードの発行は、ペイディアプリから本人確認を行い、申し込みを行うだけでユーザーの手元に届くのだ(申し込みから1週間程度で配送)。

「リアルカード」発行から利用までアプリ上でスマートに完結できる

配送から利用まで安心・安全に。デジタル上でセキュリティー管理

二つ目は、セキュリティー管理の利便性である。通常、「本人限定受取郵便」「簡易書留」などでクレジットカードは送り届けられることが多いが、「リアルカード」は普通郵便で配送されるため、直接受け取ってサインや印鑑を押す手間もないという。

「リアルカードはナンバーレスカードのため、普通郵便で配送が可能です。クレジットカードには基本的に16桁の番号が記載されていますが、それがありません。そのため、郵便物自体が紛失した場合でも、セキュリティー的に問題ありません。リアルカードを利用するには、カードだけでなくペイディのアプリ上でアクティベートボタンを押さない限り、カード利用ができない仕様になっています」

リアルカードを万が一無くしてしまった場合でも、アプリ上で一時停止ボタンを押せば、使用停止にできる。これが、既存のクレジットカードであれば、カード会社に電話連絡をして、停止する必要がある。こうしたデジタル上で安全性を確保できるのも特徴だ。使った金額もアプリに即座に反映され、メールで通知が行く。

通常のクレジットカードとは違いナンバーレスで、利用制約も簡単に設定が可能

支払いをもっと自由に、自分らしくコントロール

最後、三つ目の特徴が、支払い回数やタイミングなどを自分で選べることだ。

アプリ上で、買い物ごとに3回あと払い、または一括あと払いの設定が可能(※3)。もちろん、分割手数料は無料だ。支払い方法に関しては、「口座振替」「銀行振込」「コンビニ払い」の3種類から選ぶことができる。さらに、コンビニ払いなら、自分のタイミングでいつでも支払い可能な「すぐ払い」も利用できる。

「これまで、既存のクレジットカードのほとんどは毎月1回、支払い日が決まっており、口座から自動で引き落とされていました。しかし、リアルカードであれば、自分が払いたいと思ったタイミングですぐに支払うことも可能ですし、現金で支払うこともできる。3回あと払いのように、手数料を気にせず分割払いもできます。そのため、リアルカードを使うことでクレジットカード会社が決めたルールから解放され、ユーザーのライフスタイルに合わせて自由に決済できるようになるのです」

買い物後に支払い回数や方法を設定できる他、毎月の予算上限なども自由に決定できるため、生活スタイルに合った利用が可能

(※3)ペイディカードで3回あと払いを利用する場合は、店舗での購入時に分割払いを選択せず、一括払いで購入後、ペイディアプリから変更。

未来の出費を管理。リアルカードがもたらすお金の新習慣

では、「リアルカード」はこれから新社会人となる人にとって、どんな使い方ができるのか。

シルビア氏は、家具・家電の買いそろえや、初めての給与受け取りなど、まとまったお金が出入りするタイミングだからこそ、リアルカードの出番は増えると考えている。

「新生活に向けて、新しく家具・家電をそろえる機会があると思います。とはいえ、まとめて一括で購入しようとすると、高額な出費になるはずです。そんな時に、手数料無料の3回あと払いを使うことで、一度にかかる金額を分散させることができますし、不要な手数料も発生しません」

さらに、給料やボーナスといったまとまったお金が入ってくる中で、出費管理の予行練習にも役立つという。

「新社会人となり、初めてクレジットカードをつくる方も多いでしょう。とはいえ、クレジットカードは翌月にならないといくら使ったのかが見えないので、出費の管理が難しいはずです。その点、リアルカードであれば即座に幾ら使ったのかがアプリ上で可視化されるため、出費管理の予行練習にもなります」

利用金額の見える化で使い過ぎを防止し、計画的に買い物ができる

今後はコロナ禍も落ち着き、旅行に行く機会も増えてくる。そうした場面でも3回あと払いなどを賢く使いながら、やりたいことを制限しないでほしいと話す。

「手数料が発生しないことで、借金をするのではなく、未来の自分と割り勘するといった考えを持っていただけるとうれしいです。未来を考えながら、自身で予算をやりくりする。そんなお金のポジティブな新習慣をつくってほしいですね」

「ペイディ」を社会に実装することで、日本を“夢先進国”に

ペイディの特徴でもある「BNPL(あと払い)」は、すでに世界ではネクストスタンダードになりつつある。実際、世界のBNPL市場規模は、2021年の1365.5億ドルから、2026年までに6563.4億ドルに達すると予測されている(※4)。スウェーデンでは、オンライン購買におけるクレジットカードの利用が6割であるのに対し、BNPLサービスの利用が4割という現象も起きているそうだ。

今後、日本でもペイディがさらに普及し、BNPLという支払い方法が当たり前になれば、お金の使い方も変わるかもしれない。しかし、Paidyではお金の使い方という「手段」のアップデートだけにとどまらない、さらに大きなミッションを掲げている。

「Paidyでは『夢に自信を持ち、心に余裕を持てる世界』をつくることを目指しています。日本の将来に希望を抱く若者は、たった9.6%(※5)といわれ、『夢後進国』になっている現状があります。そうした現状を変え、日本を『夢先進国』にしたい。そんな私たちが大切にする価値観を具現化したサービスが、『ペイディ』です。ペイディが社会に実装されることで、どんな人でも安心して『今買いたい』をかなえるための環境が整い、夢実現の後押しにつながる。それが、Paidyの大事な使命だと考えています」

お金の使い方を変えることで、日本を「夢先進国」へと導こうとしているPaidy。そんなPaidyが提供するリアルカードをきっかけに、これまでの制限から自分を解放し、もっと自由に賢く買い物を楽しむマインドを手に入れてみてはいかがだろうか。

(※4)出典:フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社 「後払い決済がB2B企業の潜在成長力を解き放つ(Buy Now, Pay Later Solutions to Unlock Growth Potential for B2B Companies, Says Frost & Sullivan)」に関する調査レポート
(※5)出典:日本財団「18歳意識調査」第20回

取材・文:吉田 祐基